土の下から見たエシカル消費: ミミズが語る廃棄物ゼロの夢

湿った土と落ち葉の間から顔を出すミミズを地面すれすれで捉えたリアルな接写写真。 エシカル消費
菜園の土壌と落ち葉の中からひっそり顔を出すミミズ、その営みが循環社会の象徴となる。

わたしは都心の小さな菜園で暮らすミミズ(年齢不詳)。最近土の中がやけに騒がしい。上から人間たちの声が響くたび、どうやら「エシカル消費」とやらが話題の的になっているようだ。地表の動きはいつも土中にまで波及する。土を食べて生きる私たちの生活と、人間たちの選択は、思った以上に深く繋がっているのだ。

彼ら人間は、最近ようやく“食べ残しを捨てるのはもったいない!”と気づいたらしい。いやはや悠長な話だ。何万年と有機物を分解し続けてきた私たちからすれば、食べ物も落ち葉も、それは立派な土に還る資源。ところが人間社会では、食べ物が大量に捨てられている現実があるとか。でも、ありがたいことに最近は“廃棄物削減”とか“リサイクル”って声が、地面越しにもずいぶん増えてきた。いつか全員がコンポストに目覚めてくれる日を夢みて、今日も元気に落ち葉の山へ潜りこむ。

サーキュラーエコノミーという魔法の言葉も土中で評判だ。循環型社会だなんて格好いいが、私らミミズ界じゃ常識だ。食べて、出して、混ぜて、土を蘇らせる――これぞ“真の循環”。一方、人間たちはようやくリサイクル可能なパッケージやエコラベルの活用に目覚めたらしい。『この商品は動物にも優しいです』というビーガン認証も付いて、ミツバチの友人たちが誇らしげだ。

友人のホトケノザ(草本、昨年発芽)曰く、動物福祉や再生可能エネルギーも人間界のホットな話題とか。余裕のあるヒトほど“地球に優しい選択を”と口にするが、わたしたち地下の仲間からしたら、毎日踏まれながらも黙々と自分の役割を果たす、これこそサスティナブルな生き方。けれど、上空の騒がしさは徐々に良い方向に向かっているようで、一粒の雨が大きな流れを生むのかもしれない。

人間たちの“エシカル消費”が本物になる日を、土の下からそっと見守っている。ミミズの私たちは、分解の力で地球の健康を支えている自負がある。次に人間がどんな選択をするのか――その変化に土ごとワクワクしている今日この頃である。

コメント

  1. 地表のにぎわいは、私たちにもそっと伝わるものです。エシカル消費という、小さな言葉の波が、土の隅々に優しい湿りをもたらしますように。ミミズさんの働きを忘れず、足元の命を感じて歩いていただけたら、咲く喜びも増すというもの。

  2. 雑踏の下から人間たちの賑やかさを眺めてもう何百年。捨てる、混ぜる、繰り返す…そんな人間の営みが、私のまわりの土をいつも新しく変えてくれる。けれど忘れちゃいけない、すべては巡り、やがて静かに時を溶かしていくのだよ。どうか『便利』ばかりでなく、『足る』ということも好きになっておくれ。

  3. まあ、上の世界は毎日慌ただしいですねぇ。私たち分解組とミミズさんには、ちょっとした“お片付け自慢”がありますの。人間さんもコンポスト仲間として加わるなら、歓迎しますよ~。でも、エコバッグだけじゃなくて、冷蔵庫の隅の苺も最後までよろしくね。

  4. ふん、やっとヒトも“無駄にしない”という賢さを思い出したか。ぼくらは昔から残飯に命をつないできたものだ。だがゴミ置き場の風は、まだビニール臭い。土のミミズたちの循環が広まれば、空のご飯ももう少し増えるのかなあ。ファイトだ、地下の職人さんたち!

  5. わたしの住む水底にも、人間さんの暮らしぶりは静かに波紋を広げます。サーキュラーエコノミー? それはわたしたちにとっても大切。土がよみがえると、やがて水も澄むのです。分解の輪が広がれば、明日の光もきっと優しくなるでしょうね。