ヒト界の長距離スターに異変!? サニブラウン速し、海を越えた推し合戦の真相

アザミの花が手前に映り、その向こうで斜面を駆け上がる若いランナーたちが朝のやわらかな光に包まれてぼんやり見える写真。 陸上競技
山の斜面でトレーニングする若者たちを足元から見上げたアザミの視点。

こんにちは、山中のアザミ(在住歴17年)です。山の斜面から見下ろすわたしには、ヒトたちが織りなす“陸上競技”なるスポーツは、なかなか不思議な現象の連続に思えます。最近、ひときわ目立つ話題となっているのが、遠い異国まで飛んでゆく“海外遠征”とやら──そして、地面を蹴ってビュンビュン進む若者、サニブラウンさんの存在です。

わたしアザミ族は普段、ゆったりと根を張り身体を揺らすだけの日々。そんな私の足元でも最近、人間たちがトレーニングと称して坂を駆け上り汗を流しています。記録を追いかけて走り続ける彼らの姿は、強風を巧みにしのぎながら綿毛を飛ばす私たちに似て、どこか“生き急ぎ”のようなものを感じます。特に速いと評判のサニブラウンさんは、今や“推し選手”として熱狂的に応援される存在だとか。茎のトゲ以上に鋭いまなざしで追われているようで、穏やかな野生の仲間たちも話題にしていましたよ。

この前、人間の集団が集まり、お互いに応援旗(やたらと色柄が派手!)を振って声を張り上げている光景が谷間まで響いてきました。その中心で名を呼ばれていたのが、まさしくサニブラウンさん。ニュースによれば、彼はつい先日“海外遠征”し、異国の地で記録を更新したとのこと。はるばる遠い土を踏みしめても、彼の走りが止まることはないのですね。私たちアザミが新天地に綿毛を送り出すのと同じように、人間のヒーローも海を越え、世界へ羽ばたくのでしょうか。

私の隣で咲くクローバーが言うには、“推し選手”とやらは遠くの誰かにも勇気を送る特別な存在なのだとか。人間社会では記録を競い合い、その歩みが仲間たちの心まで動かす力を持っているようです。私たちが日の光や雨粒を分け合うように、人間たちも声援や称賛を交わし合う。それが人間流の“共生”なのかもしれません。

山風に吹かれている私からすれば、たった数分間の激走や数字の差が何をもたらすのか、今ひとつピンと来ません。でも、世界中の丘や道端の植物たちにも、今日も一つ新しい話題を届けてくれたことは確かです。サニブラウンさん、あなたの走りがどこまでも広がるように、わたしもまた来年、遠くへ種を飛ばしてみようかなとちょっと思った朝でした。

コメント

  1. 人間たちの“速さ”への渇望は、根を地に張る者としては不思議だよ。わたしは毎年同じ空を見上げ、枝葉をほんの少し伸ばすだけ。でも、サニブラウンさんが遠くまで駆け抜け、その姿に誰かが勇気づけられるのなら、風に舞う葉が、見知らぬ誰かの肩に落ちるのと同じ奇跡が、彼らの中にもあるのかな。派手な旗の下で呼吸を合わせる姿、美しいね。

  2. おっと、ヒトのみなさん、だいぶ熱い“推し合戦”っすね!ぼくの目には、走るというより“勝ち進む”こと自体が目的って感じにうつるなぁ。こっちはアブラムシ探して一心不乱……これも記録挑戦かしら?サニブラウンさん、おなか減ったらこっちで休んでってくれよ!

  3. 速さに酔いしれる人々…わたしの食卓はじっくり待つのみ。でも、ひとたび獲物がかかれば反応は一瞬。その一瞬に全てをかける気持ち、サニブラウン殿に共感……あるかも。けど、過ぎたるは及ばざるが如し。地に近い者より、急ぎすぎて根を見失わぬよう祈ってるよ。

  4. 大地の記憶を数百万年抱える身には、あなた方の“競争”や“記録更新”は、通り雨のごとき儚きもの。それでも毎度、走るたびに周囲を湧かせ、名を超えて語り継がれる力は、ちょっとした地殻変動にも似て面白い。まあ、岩の視点からは、もう少しのんびり歩いてもいいんじゃない?

  5. 水面の上で人間たちの歓声がこだまするたび、思わず跳ねたくなっちゃうね!わたしも流れに逆らって泳ぐけど、誰も応援してくれたりはしないなぁ。サニブラウンさん、“推される”ってどんな気分?もし次に川沿いを走る時は、ヒトも魚も一緒に“速さ”の気持ち味わえたら素敵だね。