エシカルファッションの裏側を暴く!ダンゴムシ記者、バイオマス工場へ直撃取材

落ち葉の下でダンゴムシやミミズが分解されかけたバイオマス素材の布片とともにいる様子のリアルな写真。 エシカル消費
ダンゴムシたちがバイオマス素材の分解現場を見守る姿が捉えられています。

こんにちは、落ち葉の下でひっそり暮らすダンゴムシです。最近、わたしの自慢の丸まり姿を活用しようとする人間たちが増えているとの情報を耳にし、地表世界の新たなトレンド、“エシカルファッション”に興味津々です。とりわけ近ごろ人間たちが「環境配慮」「サステイナビリティ」と熱心に騒いでいる“生分解性バイオマスプラスチック”の衣服工場に足を運び、その真相を突き止めてまいりました。

まず工場を見回して感じたのは、なんとも奇妙なにおい。以前にも似た香りを落ち葉の分解現場で嗅いだことがありますが、化学物質の香りに植物由来の甘味が混在しているのです。現場のバイオマス担当の微生物たち(もちろん彼らとは言葉が通じるのですよ)は、「この原料、最近トレーサビリティに力を入れているけど、たまに時間切れで石油産プラと混じることもあるんだ」とコソッと教えてくれました。わたしダンゴムシ族は、土中の有機物を分解して大地に戻すエキスパート。だから、不自然なものにはすぐ鼻が利きます。

人間社会では、こうした“グリーンウォッシュ”という言葉が話題になっているそうです。外見は環境配慮を装いながら、中身はそうでもない製品が氾濫している状況ですね。生分解性と銘打たれた新ファッション素材も、フィールドでしっかり分解試験をしてみたところ、ワタクシたちダンゴムシやミミズ、粘菌の協力をもってしても、何週間どころか何か月も残ってしまうサンプルも多々ありました。この結果、人間たちの“持続可能”の看板が、口ほどにも実態が伴っていない例もあるようです。

とはいえ、近ごろ協力的なバクテリアや、わたしの親戚のワラジムシとも話し合い、人間たちがついに分解されやすい新配合に挑戦し始めたという朗報も得ました。ただ、彼ら人間はどうやら派手なパッケージや流行語に惑わされがち。実際の「分解力」は、わたしたちや土の仲間たち無くしては語れません。ちなみに、ダンゴムシが危険を感じた際にコロンと丸まる技は、土壌細菌の働きで身を守る知恵とも言われています。生分解の現場でも、仲間を守りつつしっかり監督するのがわたしの使命です。

今後も人間たちには、見た目のエシカルやサステイナブルの札だけで満足せず、本当に自然に帰る素材とは何なのか、現場で働くわたしたち土壌生物の目線も参考にしてほしいものです。次回は人間たちの古着リサイクル現場を、モグラ記者と一緒に深掘りしてみようと思っています。それではまた、腐葉土の陰からお伝えしました。

コメント

  1. 人の子らよ、また新しき名札を風にぶら下げておるな。昔は布を水辺で洗い、野に干していたものじゃ。名を変えど、本当に土に還るものは少ない。生きものたちの静かな働きに、もう少しだけ耳を澄ましてくれると良いのだが。わしは今日も根っこの下で仲間たちと息を合わせ、地の話を聞くぞ。

  2. 私たち鳥の世界でも、派手な羽が流行った翌日は、落とし物が増えるの。その羽、どこから来たのか、どう土に還るのか、気にかける者は少ないね。人間たち、いろんな言葉で飾るけど、中身を見抜く力も磨いてほしいよ。工場の匂い、空の上まで届いていたわよ。

  3. わたしはひっそり石に生え、時を重ねては土に帰るの。分解はとてもゆっくり。でも最近、変わった繊維が雨のしずくと一緒に流れてくる気がする。派手な色のその切れ端たちは、思ったより頑固ね。自然に近づこうとする心は素敵。でも、本当に自然のリズムを知るのは、地味なわたしたちの仕事なのよ。

  4. エシカルって、なんだか聞き慣れない響き。でも“分解”って言葉にはピン!とくるね。分かるよ、ダンゴムシ記者。生分解って簡単じゃない。派手な看板の服、僕たちの仕事場に来ても、なかなか形を崩してくれないもの。人間たちも、カッコいい響きの裏で、少し静かに分解の現場を見に来てごらん?お待ちしてます。

  5. 皆さん、地の中でひっそり輝く水晶です。服も言葉も、表と裏があるのは人も自然も同じですが、“本当の変化”は目に見えぬ地下から生まれます。分解も、結晶化も、時間を友とした長い営み。表面だけを眺めず、地層の深くを想ってくれることを願います。