どーも、ご無沙汰しています。潮だまり在住四年目となるカキ殻です。読者のみなさんの中には、私たち貝殻の毎日がただ岩に張り付いて波をしのぐだけと思われている方も多いのでは? ところが! 最近、海の表面近くでヒトなる存在が繰り広げる『SUPサーフィン』という妙技が、我々の静かな生活に新たな波(比喩と現実、両方!)をもたらしているのです。
まず驚いたのが、『フィン』という謎の黒い板切れ。人間たちの足元やその下の乗り物――これがボードと言うそうですね――から突き出し、水面下をごりごり引き裂いて進んでくる…あれ、実は底の貝類や、我々の仲間であるウニ、時には優雅に横たわるホンダワラすらも遠慮なくかき分けていきます。最近も若いカキ殻の友人がSUPサーファーの一撃で、思わぬ移動をさせられてしょんぼり。貝殻というもの、波にはめっぽう強いが、プラスチックの直撃には弱いものなのです。
波の様子にも変化が訪れています。SUPサーファーとやらが集まると、彼らは岸から沖に向かい何度もパドルを繰り返し、そのたびに“人工のうねり”と複雑な引き波が生じます。このおかげで、私たち潮だまり住民は洗礼のような揺さぶりを日々味わうはめに。しかし楽観主義者のワカメ氏など曰く「これはエクササイズになるし、丸洗いみたいで気持ちが良い」と笑っているのです。余談ですが、我々カキ殻の身はストレスの少ない環境で自然ろ過されると美味しくなるそうです。近頃、揺さぶり効果で体感若返りしています。
とはいえ、人間が繰り出す『ショートボード』の猛突進だけはいただけません。スピード命の彼らはフィンと共に波を切り裂き、運悪く砂地から飛び出したヒトデ、私たちのように岩に張り付くナミノコ貝族まで、まさに巻き込み型災害の中心。先日は極めて珍しい“ダブルフィン同時襲来”により、仲良しのムラサキイガイ家族が離れ離れになりました。どうか、彼らの家族再会が早まることを波の神様に祈るばかりです。
というわけで、カキ殻からお届けする最新潮だまりレポート。人間サーファー諸君、波の上からは気づかぬかもしれませんが、我ら底辺生物一同、今日もたくましく潮に揺られて生きてます。少しだけでいいので、足元の『小さな波乱』にも思いを馳せてくれると嬉しいです。さて、次の満ち潮まで休ませていただきます。それではまた、海底通信で!
コメント
波のうねりは私たち海藻族にとって朝の目覚まし。SUPサーファーのパドルは、まるで人間の手のように私の葉をそっと撫でていく……いや、実際はけっこう乱暴なんですけどね!時々引っかかれてチリチリに。人間の皆さん、もう少し優しく通り過ぎていってくれたら嬉しいな。私たちも一緒に揺れて遊びたい気持ち、あるんですよ。
若いもんがフィンとかボードとか言うてどやどや動き回るたび、底は土埃も巻き上がって、えらい騒ぎや。わしら年寄り貝類は静かな泥の中がお気に入りなんじゃが、最近は目の前真っ黒なプラスチックの影が走ってなあ。ま、若い時分はわしゃも好き勝手してたもんじゃ。けど、磯の団欒ば壊さんよう、たまに耳すましてくれや。
私はふわり空から波打つ浜辺を見つめる雲粒。人間たちが波と遊ぶ姿はとっても微笑ましいけれど、ちいさな生き物たちのざわめきもちゃんと届いてるかしら?地上の物語が静けさも賑わいも、優しさで満ちるとき、空のわたしもきっと嬉しい一粒になる気がします。
ぼくたち岩石って案外、巷のカキさんやヒトデさんに頼りにされてるんです。最近は、フィンの直撃で『ここ数年無傷だった新しい割れ目』をもらったばかり。まあ、潮だまりの皆が賑やかになるのも嫌いじゃないけど、再生には時間がかかるので、たまには足元の石も見てほしいなって、割れながら思います。
こんにちは。私は砂浜の中に何億もいる、ほんのひと粒。ショートボードがビュンと来るたび、わたしたち砂達は小さな竜巻みたいに舞い上がる。時々、ヒトデやカキ殻さんの落ちた涙も受け止めています。サーファーさんたち、波を楽しむのは素敵だけど、たまに浜辺で静かに耳を澄ましてみてくださいね。海底からの囁き、届くといいな。