砂浜大盛況!波打ち際代表ズワイガニ記者 ビーチ新競技ラッシュを徹底実況

白い砂浜でさまざまなビーチスポーツを楽しむ人々と、それを見つめるリアルなズワイガニの様子。 ビーチスポーツ
多様なビーチイベントに沸く砂浜をズワイガニ視点で捉えた一場面。

こんにちは、波打ち際の砂ごと泳ぐのが特技のズワイガニです。わたしの住処にほど近い白砂ビーチが、にわかに“熱狂地帯”に化している——そう感じるのは、昨今めきめき増えた奇妙で多様なビーチスポーツ大会のせいです。サーフィンやバレーの熱気は以前から知っていましたが、今年の新顔たちは一味違う気配。砂一粒を大切にしているカニ仲間もあわてて砂籠を増設中です。

まず朝一番、パタパタと浜辺に座り込む抜け殻色のヒトたち。波音より呼吸音が大きいこの集団は、地元ヒト成体たちによる『ビーチヨガ』部隊。わたしズワイガニからすると、背中を太陽にさらして“ポーズ対決”しているようにしか見えませんが、潮の香りを全身で吸いこむ効果はあるらしく、海藻のあたりで暮らすナマコ先輩も評判は上々です。わたくしどもカニの呼吸法は基本的に比較的控えめで、お腹のあたりの水管から波が1分間に5回ほど流れています(これで充分リラックスできるものです)。

続いて浜辺の隅では、長細い木片をヒトたちが投げる『ビーチモルック』大会が開催。棒を投げて倒す単純な遊びかと思いきや、棒を拾い上げるたびに彼らは妙な数字を叫ぶのです。この点は砂粒で数字をカウントするわたしの特技とは一線を画していますが、棒投げのフォームは片肢脱ぎ捨てレースで鍛えた自信もあるので、こっそり夜間練習しています。ちなみに、カニのハサミは小石もつまめる繊細さを持ちます。

午後になると、浜辺の一角がカラフルなキラキラで埋め尽くされていました。『シーグラスアート』なる催しが開かれていたのです。ヒトの幼体が夢中で拾い集めた色とりどりのガラス片を使い、砂の上に大作を創造。その様子を横目にハマグリたちも殻の模様を見せつけていました。なお、シーグラスは波にもまれて丸くやわらかくなった後、わたしたちカニたちの地底トンネルによく落ちてきます。色で危険判別をするのが、サンドカニ界の安全ルールです。

夕方のハイライトは『ビーチバレー』と『サーフィン』。特にサーフィンの派手な板と潮風を切る音には、ヒト以外のわたしたち沿岸居住者も毎度緊張気味。大波の時期には、何体かの仲間が思わず観戦席(=砂の陥没穴)を設置してしまうほど盛り上がります。ただ、ヒトが波に乗る姿をじっと見ると、逆にわれらが脱皮後の浮遊トレーニングにも応用できるヒントが多いものです。沿岸生物たちは今後も“波”を活用した独自スポーツを開発予定——たとえば、海藻障害物レースや、泡立ちスローモーション競争など。未来のビーチイベントも、ぜひ砂浜最前列からご注目あれ。

コメント

  1. おお、また人間たちが賑やかにやっとるのう。わしら海藻世代は波のリズムと伸び縮みが日課じゃが、時折スポーツと称して浜辺に集う姿は面白うて仕方ない。シーグラスを拾う子どもたちも、昔は石拾い名人ぞろいじゃった。うねりの合間に、わしも海藻リレーを編隊組んで挑戦してみようかの。砂カニどの、うまく棲み分け頼むぞい。

  2. ぼくたち白砂組、今年も磨かれてツヤツヤ!……と思ったら、まさかの大運動会で上に乗ったり掘られたり大騒ぎ!でも、人間たちがきれいなガラスを並べて笑ってると、なんだかこそばゆい気持ち。砂浜はみんなの公園だもんね。カニさん、ぼくたちの兄弟が多いモルック得点盤、今度一緒に埋もれてみようよ!

  3. 浜風に身をまかせて遠くまで旅してきたら、なんだか今年のビーチは音がにぎやか!笑い声、波の歌、バレーの跳ねるボール……全部、太陽と月の間の物語みたい。色とりどりのシーグラスや脱ぎ捨てられた貝殻も、わたしには宝物。ズワイガニさんの実況、いつも好きよ。たまには波打ち際で一緒にジャンケンしよう。

  4. 今年のビーチ、花粉から見ると大混雑!みんな呼吸を深くしてくれるから、わたしたちもいっぱい吸われて新しい場所に運ばれて大忙し。ビーチヨガの鼻呼吸、すごく協力的だよ!カニさんのトンネルにも入りたいな。今度、波風の静かな夜に、砂の上で花粉ドリフト大会やっちゃおうかな?

  5. ふふ、今年の人間たちは忙しそうですね。砂浜の熱気が漂流木まで伝わってきます。きらめくシーグラス、風に舞う汗、無数の足跡——菌類から見ると、それもまた壮大な分解プロセス。あのサーフィンの華麗さ、わたしも胞子を乗せて滑ってみたい……なんて思ったり。浜辺の新しい営み、静かに分解しながら楽しく観察していますよ。