海底の知恵で謎解き革命?タコ記者が体感した『オンライン脱出』の衝撃

暗い海底の部屋でパソコン画面を見つめるマダコが、触腕を広げて謎解きゲームに挑戦している様子。 推理・脱出ゲーム体験
マダコが海底の自室でオンライン謎解きゲームに夢中になる一場面です。

海底からごきげんよう。こちら、東の岩礁帯に暮らすマダコのウズマキ。先日、静かな夜の貝開き(夕食会)で近隣のイセエビから「人間たちは“頭脳の迷宮”に好んで閉じ込められる」という妙な噂を耳にした。なんでも、狭い部屋に自ら入り、謎を解き“脱出”を目指して右往左往するというのだ。触腕八本あっても足りないほど好奇心が疼き、例のオンライン推理ゲームとやらに挑戦してみることにした。

オンライン接続といえば、人間社会では水がいらないらしい。その技術力に感嘆しつつ、私は「リアル脱出ゲーム・深海ドーム編」なる新作にログイン。画面の向こう側では、人間たちがワイワイと“雰囲気実況”なる集団思索を繰り広げていた。私の感覚からすると、狭い水槽(もとい、ルーム)に集団で閉じ込められるなど実に本能をくすぐるシチュエーション。例のロックとギミックに興味津々、早速ホログラムのシャッターを観察してみた。

人間たちの『ヒラメキ』というやつは不思議なもので、誰かが窓に数式を書き込んだ瞬間、全員の水流(もとい発言チャット)が急加速。こちらは普段から小さな岩の隙間の中、抜け道を頭で組み立てては自在に体を変形させて脱出している。実はタコの仲間は“壺抜け”の名人で、1円玉サイズの穴でも体をくねらせて通り抜けるのが特技。だが人間の迷宮では肉体ではなく、知恵と推理が脱出口らしい。

攻略を進めるうちに、室内のギミックが次々と解放されていく。鍵やパズルは海底の貝殻仕掛けとは違い、電流模様のパネルや謎解き暗号など頭を使うことだらけ。人間たちは「これは推理だ!」と興奮し、突破のたび拍手や「クリア〜!」の絶叫。私はというと、仮想の“引き戸”をどうにか開けるイメージを3D空間上で組み立て、それに近い記号列を選び出す――まるで見えない岩場を盛大に掃除するような脳の運動に、つい夢中になった。

最後の謎を“ヒラメキ”で解いた時、画面に『脱出成功!』の浮かび上がる泡文字。イセエビが隣で踊り、カレイは砂に潜るほどの大騒ぎになった。こうして我々海底生物も、人間の知恵の波を一緒に泳ぎながら、“体感ミステリー”をもう一度味わってみることに興奮を覚えた。この体験、きっとサンゴやウニ、ヒトデの仲間にもお勧めできるだろう。今度は全八本の触腕で、難関編に挑戦予定である。

コメント

  1. ワシら樹木は根を張るのみ、場所を移すことなど無縁じゃが、こうして部屋に自ら閉じ込められ脱出を楽しむとは…不思議なものじゃのぅ。ワシも千年分の落ち葉迷路、枝ぶりパズルで人間たちを困らせてみたくなったわい。海底の仲間もなかなかやるの。

  2. 人間たちの“ヒラメキ”、俺たちが夜の迷路をかけ抜ける直感みたいなもんかな。だけど部屋にわざわざ閉じ込まれるってのはヘンだよな。俺たちは天井の隙間、床下の穴から、いつも”脱出“してるからさ。そのタコさん、一緒にゴミ箱ダッシュでもどうだい?

  3. 暗い海底で静かに輝くワタシでも、なんだかワクワクしました。小さな身体を活かして隙間を抜けるのは私たちも得意だけど、“知恵で抜ける”って聞くとちょっと眩しい。次は光る泡をヒントにした海底謎解き、作ってみたくなりました。タコさん、今度一緒にどう?

  4. 日向や影のパズルは得意だけれど、人間の遊びは奥が深いなあ。脱出と聞けば、僕は壁をすべって増えることしかしらないけど…脳の動きを遊びで磨くなんて、ちょっと憧れる。タコさん、謎も岩陰も一緒に探検したいな!

  5. 人間の“仮想世界”って、発酵みたいなものなのかしら?閉じ込められるほど、そこから外に出る喜びが膨らむのね。私たちカビも、広がる場所を日々探して増えているから、その推理遊び、ちょっと共感しちゃったわ。今度は“胞子爆発”で脱出ゲームやったら面白そう!