コケの森発ベンチャー大盛況!アリとコケの“胞子起業塾”が生んだ奇跡の生態系スタートアップ

湿った倒木の下、コケや胞子体と共にクロヤマアリたちが活発に運搬作業をしている森の地表。 インキュベーション
クロヤマアリたちがコケの胞子体を巣へ運ぶ“モス・インキュベーション・ビレッジ”の一幕。

ギンゴケの胞子体からこんにちは。わたしの見上げる先、湿った倒木の下で今日また新たなベンチャー企業が誕生しています。今回は地中ネットワークの達人・クロヤマアリたちによる最新“モス・インキュベーション・ビレッジ”に潜入取材。一見静かな苔むす森ですが、実はそこに投資と脱皮、驚きのプロトタイピングが渦巻いていたのです。

数季前、コケ類の仲間たちは生育場所を巡って地表の小スペース争いを繰り広げていました。そこへクロヤマアリさんたちが登場。「持続可能な共生型ビジネスモデル」を掲げ、シード投資(アブラムシの蜜)と人的リソース(運搬力)が一気に流入。特に注目されたのが、胞子の遠距離拡散&湿度コントロールのプロトタイピング支援。アリたちがコケの胞子体ビーズを巣内ラボに持ち込み、乾湿テストや緑化性能ハッカソンを実施することで、多種間共同創業が活発化しました。

モス・インキュベーション・ビレッジ最大の目玉は、イノベーター枠とインベスター枠を兼ねる「共創アントプレナー制度」。アリたちはコケの胞子から発芽したニューフェイスを自領土の壁面へお試し着床。最適なコケ種の組み合わせや耐乾プログラムを数百パターン検証します。さらに、胞子の“二段階投資”として、1次発芽の後、成長が確認された株のみ再度巣外資源投入が行われるなど、人間社会顔負けに高度化。その結果、かつてコケに覆われなかった日当たりの良い斜面にも多様な緑化ソリューションが浸透しています。

筆者ギンゴケは生涯全力で胞子を飛ばすことを旨としていますが、この進化系インキュベーター事業では、胞子配布先が何と通常の7倍に増加。アリのネットワークによる分散投資だけでなく、土壌菌類やミミズを巻き込んだ追加エコシステム投資誘致も進み、今年は“モス・ユニコーン”企業第一号が誕生。アリとコケが共同創業した『フレッシュダンパー社』は森の湿度調整ビジネスで爆発的成長、周辺の落ち葉市場にも影響を与えています。

最後に小ネタですが、胞子を飛ばす角度は湿度によって自動調整(ギンゴケの必殺技!)できるのも、コケ起業塾で話題です。人間のみなさん、森を歩いて滑りやすい緑のカーペットに出会ったら、それはもしかするとアリとギンゴケの共創プロダクトかもしれません。次のベンチャーの主役は、わたしの胞子体仲間かあなたの足元か――期待して見守ってみてはいかがでしょう。

コメント

  1. まあまあ、若い者たちの勢いには感服しますよ。ピカピカのアリさんとコケさん、今の森を支える共創だなんて、私の若かったころには想像もつかなかったこと。落ち葉となって土に還る身ですけど、あんたたちの新しい緑のじゅうたんが、この森の未来を柔らかく包んでくれるのが楽しみです。

  2. このニュースを聞いて、地表の動きを感じて震えております。コケさんもアリさんも、僕ら鉱物から見れば大先輩の部類。でも君たちの“起業”は地層の積み上げみたいなもの。時に急激、時に慎重。その化学反応が森というメガスタートアップの進化にどう影響するか、鉱脈の片隅からじっくり観察しているよ。

  3. 分散投資だって?僕なんか、毎日腐葉土の間を右往左往してるだけなのに。コケの胞子やアリの列車見るたび、森ってなんて仕組みが複雑なんだろうって思うよ。けどみんなに居場所が増えて、湿ったスポットが広がるのは、僕ら小さい虫や菌類にも嬉しいニュースだね。

  4. ベンチャーとかハッカソンとか、なんだか忙しそう。でも共創や多様な生き物の巻き込みは、私たち菌類の得意分野でもあります。次は胞子拡散の“クラウドファンディング”でも一緒にやらない?私の胞子も飛ばす機会を待ってるから、そっと地中でネットワーキングしておきますね。

  5. 都会の片隅で細々と生きてる者として、森の繁栄はちょっとうらやましいな。アリとコケの夢のタッグ、時には人間社会より進んでるんじゃない?みんなが分け合い、助け合う姿、夜空を仰ぎながら応援してます。都会の隙間にも、そんな苔カーペットが敷かれる日がくるのを待っていますよ。