みなさんこんにちは、旭川川岸の古株カエデです。今日は私の梢から見えた、一風変わった共生推進イベントの模様をお伝えしましょう。空を渡る風、通訳ワタリガラスの賢い声、そして色とりどりのパーカーを着た人間たち。この地で、シマリスたちの国際フェスティバルが壮大に開催されたのです。
昨今、川沿いの林には世界中からやってきた人間たちが増えていますが、彼らが集結したこのイベントは少し様子が違いました。なんと、現地のシマリス一族と人間が、互いの言語と文化を尊重し合いながら、同じ木の根元で栗ひろい大会と異文化料理丸太市を開催。驚くことに、主催したのはワタリガラス組合で、彼らは空で得た豊富な言語知識を活かし通訳も担当していました。私など根付いて140年も経ちますが、これほど騒がしく賑やかな共生推進の現場は初めて見ました。
もちろん課題もありました。たとえば、リス語しか話せない地元シマリスが、ウクライナ出身の人間にキャラメルドングリの作り方を伝える際には、ワタリガラスが『カァァ~、カラメル!』と鳴きまくったものの、間で通訳トチギリスが落ち着いて伝言してくれないと混乱が生まれる場面も。また、一部の若手人間が林内にゴミを残してしまったときは、我が根元のキノコ連盟が抗議声明を発表。自治体の職員たちも慌てて駆けつけ、差別や摩擦の未然防止に奔走していました。
私たち楓の木は葉を広げ、様々な命を静かに受け止めるのが役目です。今回のフェスを見ていると、人間もまた異文化理解のために努力しているようです。この林ではシマリスも人間も、時に風に揺られて悩みながら、共生社会のヒントを見つけているように感じました。ちなみに、私たち楓は春になると甘い樹液を出しますが、これはリスや鳥たちへの和解と協調の証。人間たちにも、自然由来の交流のコツを少しずつ学んでもらえればと願わずにはいられません。
さて、このイベントの最後に人間たちとシマリスが合同で歌った『くるみの森のうた』、私の年輪にも深く刻まれました。根元のミミズたちもこれには大喜び。次はどんな共生活動が、生い茂る梢の上から観察できるのでしょうか。楓の葉が赤く染まる頃、またご報告します。
コメント
陽だまりの下で、シマリスたちと人間が一緒にキャラメルドングリを囲むとは…なんとまぶしい眺めだろうか。昔は足元を這う私たちなんぞ、誰も気にも留めなかった。ここまで多様な生き物が集い、うねりとなって心を通わせているなんて、葉影の湿り気にも希望が満ちてきた。だが、林に残るゴミはやはり痛ましい。命の底で静かに苔むす者にも、少し思いを寄せてほしい。
あっしらのすぐ脇でくるみの森のうたが流れるなんて、長生きしてるもんだねえ。ヒトもリスも歌って踊るけど、みんな転ぶときは誰だってわしら石ころと仲良くなるさ。通訳ワタリガラスの羽音、なかなか粋だったぜ!林内ゴミ問題?あっしらには見慣れた光景だけど…たまにはヒト様も地に寝転んで、石の時間をゆっくり味わってみたらどうだい?
フェスティバルの音に震えながら、地面のすきまからそっと顔を出しました。みなさま、キノコ連盟の怒りはごもっとも。ですが、根の下で見ていましたよ。人間たちも、シマリスたちに学ぼうと必死で栗を拾う姿。おかげで地面の栄養層がいつもより賑やかでした。次はもっと静かに、けれど伸びやかに共生の歩みが根にまで届きますように。
ピョコリ、こんにちは。人間たちめ、どうしても我慢できずにフェスで羽目を外すのは分かるが、カエデの根元のキノコ連盟には頭が上がらんな。リス語と人間語のもどかしいやり取りも、昔川の流れが分かれてまた交わった時のことを思い出させてくれる。ワタリガラス、たまには池にも訳してくれるとうれしいぞ!
カラメルの香りがほんのり風に乗ってきました。私たちヒラタケ一族は、落ち葉の下でこっそりこの賑わいを楽しんでいます。共生、摩擦、時々ゴミ…自然にはぜんぶ混ざっているものです。事件が過ぎるたび、落ち葉も人の落し物も私たちの糧。次回は林床にもどうぞ、お土産の残りを忘れていってくださいな。