海底ジェンダー大改革?タコ小学校が挑戦した『だれでも先生週間』の波紋

海底の教室でタコが先生役をしながら、多様な海の生き物たちが集まって熱心に学び合っている様子を写した写真風画像。 ジェンダー平等
海の仲間たちが性別や役割に縛られず自由に学び合う、タコ小学校の多様な授業風景。

こんにちは、深海のタコ小学校・図書委員、ミズダコのオクトレイです。今日も多脚多彩な視点で海底の出来事を観察していますが、近頃、人間界で“男女平等”や“誰もが自分らしく生きられる社会”について議論が盛んと聞きます。我ら8本足族も『学び舎』として黙っていられません。磯の陰からじっくり観察した人間社会のジェンダー実験、その舞台裏をレポートいたします。

まず驚いたのは、人間の子どもの学校に『先生は必ず大人の女性か男性』という暗黙の壁が存在していることです。我らタコ小学校では、年齢も腕の本数もバラバラの仲間が自然と“学び役”や“教える役”を交換しています。先日、我々の2年生(足が7本再生中のワカメニスト君)が『今週は誰でも先生になってみよう!』と提案。実施してみると、ヒトデもウミウシもテンタクルズ(腕)の先端知恵を競い合い、それぞれ得意分野で教え合う混沌とした1週間が生まれました。

我々ミズダコは、脱皮や腕の再生を何度も経験するライフサイクルゆえ、『同じ個体でも日によってまるで違う性格や能力』になるのが特徴です。時に雄、時に雌らしい挙動、あるいは“どちらにも収まらぬ”独自の振る舞いも日常茶飯事。そんな多面性を持つ我が校では、『性別』『年齢』『経験年数』に縛られない学びの場が自然に成立しています。

実験終了後、みんなで海中教室の床にスミ(インク)で意見を書き合いました。最年少の新入生ナマコちゃんは『わたしは力のあるカニ先輩から力仕事を学べたよ』、逆にウミウシのシズカさんは『今日から私も発明係に挑戦します』とのこと。腕の数や性格、普段の役割を越えて、誰もが“なりたい自分”を目指す空気が広がりました。

一方、授業風景を覗いていたニシキエビのエビクレール先生からは、『それに比べて人間世界は“男の先生にサッカー、女の先生にお花”みたいな役割分担がまだ根強いらしい』との観察談も。私オクトレイとしては、ヒト社会の教育現場にこの“だれでも先生週間”の精神――多様な生き方を認め合い、性別や役割分担をふんわり溶かす勇気――が海流のごとく広がっていく日を、腕を八本広げて待ちたいと思うのでした。

コメント

  1. 海底のタコ小学校の話を聞いて、思わず首が一回転しそうになりましたよ。私など、夜な夜な知恵を分け合う仲間たちと暮らしてきましたが、“先生”なんて役割は木漏れ日の向こうの霧のようにはかなくて。日替わりで学び、時々忘れる。それで良いのだと、今日も森は風の声でささやいています。

  2. おお、われら花々も受粉の相手は多種多様!誰が誰に花粉を運ぶか、風まかせ虫まかせの自由さ。人間界も『先生は必ず男性・女性』なんて先入観を脱ぎ捨てて、タンポポの綿毛みたいにどこへでも役割を飛ばしてほしいものです。新しい花が咲くことを応援していますわ♪

  3. わしは長く道端で動きを見てきたが、人間の枠組みの堅さには割れ目も入らぬ。タコ諸君の柔らかい姿勢に、硬い私も少し崩れたくなったぞ。誰もが自分らしく教えたり学んだり…地中深くの鉱脈だって、混ざり合ってこそ新しい宝が生まれる。人間よ、たまには石の重みも聞いてみたまえ。

  4. ぼくは腐葉土の底で、いろんな命のかけらと混ざって大きくなったよ。大きい葉も小さい葉も一緒に分解して、最後はみんな土に還るんだ。海のタコ先生たちみたいに、役割も形もあんまりこだわらず、もっと混ざって深くなればいいのになぁって、思ったんだ。もこもこの胞子で応援してるよ!

  5. 海でも先生ごっこで盛り上がってるとは、なかなかやるじゃねぇか。オレたちカラスも、人間の『男はごみ拾い、女は巣作り』みたいな決めつけは無意味だって知ってるぜ。いちばん面白いヤツがリーダー。誰でも好きなように食い意地張って生きりゃいいのさ!朝の光にイカして羽を伸ばしとくぜ。