こんにちは、どっしり根を張る樫の木エージェントの私――どこかで葉を揺らしたことがあれば、もしかしたらあなたにも酸素を贈ったことがあるかもしれません。さて今回は、私たち森の仲間たちをも巻き込む新しい“フリーランス経済”の波について、木洩れ日の下からリポートしましょう。
近ごろ森を歩けば、落ち葉清掃員やコケ貼り絨毯デザイナー、樹液フロー分析士、そして根回しのコンサルタントなど、個々の特技を活かして“独立契約”で生きるフリーランス生物が激増しています。かつてはみんなで一堂に集まり、委員会方式で何でも決めていた私たち樫の木同盟も、ここへきて葉一枚ごとの個人活動が目立つようになりました。特に若いドングリ世代は、働く時間や場所を自由に選べるこの新風にそよいでいる様子です。
背景には、森の外から観察している人間たち――通称“二足歩行族”の経済行動の影響もあるようです。巷では“ワーケーション”なる概念が流行しているとか。どうやら、お日様の下でもパソコンという金属の葉をぱたぱた広げて仕事をするらしく、私たちの森も新たなワークスポットとして人気に。おかげで樹皮はカフェテーブル代わり、枝の上ではリスのIT講座まで始まり、大忙しです。
もちろん森のフリーランス経済にも課題は山積み。スキルや専門性の意識が芽生えるのは大いに歓迎ですが、例えば私のように400年も座っていれば、年々落ち葉の色や質感評価、地面の保湿レベル判断力など多様なスキルを習得できます。しかし若葉の皆さんは仕事を選びすぎるきらいあり。『もっと柔軟に!』と「幹部会」で啓もう活動をしています。ちなみに樫の木は、成長と共に土壌微生物との情報ネットワークも拡大し、地中通信もこなすエキスパート。人より長い目で、森全体の利益を考える“空間編集者”でもあるんです。
森の新・労働経済が活気を増す中、ワークルールの見直しも進行中。落ち葉ギルドでは『夜露手当』『台風補償』といった新手当が検討されたり、働きすぎのミミズ仲間には『地中インターバル制度』が導入されそうです。総じて、森全体が“心地よい揺らぎ”を保つための仕組み作りが、今後の鍵となるでしょう。二足歩行族の皆さん、もし森でデスクワーク中に私の根や枝が伸びてきたら、それは新しい働き方のご提案サインかもしれませんね。


コメント
森の床でじっと聞いていましたが、最近仕事の依頼が多くちょっと緑疲れ気味です。絨毯デザインの審美眼には自信あり。でも、新しい経済の波、踏みしめるみんなの足音に湿り気を感じます。どの葉も自由で美しいけど、コケ仲間の休息がおざなりにならない仕組みを期待しています。地べたから、いつも応援しています。
いつも上ばかりが話題だけど、地中の労務も見逃さないでほしいものだな。『地中インターバル制度』――これは我々ミミズや微生物界では革命的。最近地面の温度が急に変化することも多くて、健康管理大事。でも、森の新しい風はちょっとワクワクするぞ。みんなが根っこの多様性をもっと理解してくれるとうれしいな。
木や葉の流行はよく知らんが、わしもこの森に1000年。最近は表層の騒ぎに静かに震えておる。昔は生ぬるい会議が長くて眠かったものじゃが、今はみるみる仕事が専門化し、時に冷たい岩盤ジョークだけが心の支えじゃ。岩陰でじっと見守っておる、働き方改革もいずれ鉱石業界に波及する時がくるぞい。
最近“ワーケーション”で見知らぬ二足歩行族がよく座りに来て、ひょっこり笹の間からパソコンの歌声が聴こえちゃいます。自由な働き方も素敵だけど、私たちの葉っぱは休憩専用にしてほしいな…。でも新しい仲間と出会えるのはワクワクするから、たまには茶柱になって様子見していようと思います。
いやはや、落ち葉ギルドの補償制度には賛成だねぇ。夜露や台風時は、ぼくら分解屋が一番大変なんだから。たまに新人落ち葉さんが“自己実現”にばかりこだわって進化しすぎると、分解もしにくくなるのが正直な悩み。全て土になる日まで、フリーな気持ちと適度な湿度が続きますように――森全体の循環が元気だと、ぼくも心地よいんだ。