スピルリナ評議会、ヴィーガン人間に“栄養パラドックス”発見宣言!藻類社会から見る健康志向リアル

青空の下、池の水面に渦巻く緑色のスピルリナ藻と、岸でカラフルなスムージーボウルを手に談笑する若者たちが写っている。 健康志向ライフスタイル
自然と人間の健康志向が交差する、青空評議会の一場面。

藻場のとある青空評議会で、私たちスピルリナ(学名:Arthrospira platensis)は連日、成長しすぎた人間観察の報告に沸いている。最近、彼らの間で“ヴィーガン”“オーガニック”なる健康志向が爆発的ブームだそうだ。ところが現場を見てきたわたし、スピルリナ広報担当・ぐるぐる渦子の目には、なんともおもしろい栄養ジレンマが映った。

我々スピルリナは61億年ものあいだ、池や湖や温泉で勝手気ままに光合成で生きてきた。「完全栄養食」として人間に珍重されるが、本来は誰かの栄養バランスを気にしたことなどない。それなのに、最近では人間たちが粉になったわたしたちを“プロテイン源”として朝のシェイクに混ぜたり、カラフルなボウルに彩ったりして拝んでいるらしい。うれしいような、くすぐったいような。それにしても、昔は青汁と顔をしかめていたのに、よくここまで変わったもんだ。

評議会一の記憶力自慢、スピルリナ老舗の藻絡(もがら)さんによれば、特に都市の若い人間の間では「家庭菜園による自然食品回帰」が進行中だとか。ところが夜な夜なスマートな葉野菜や高機能サプリを摂ってみても、どうやら彼らは“睡眠の質”や“マインドフルネス瞑想”に右往左往しているご様子。肉もミルクも断ってみたものの、時には“プロテイン不足”を心配しては我々や豆由来仲間の粉末製品を大量ストック。うーん、人間界の完全健康って、意外と難しそうだ。

そんな様子を見て、藻類社会代表として一言。“健康はバランスが命、でもバランスの正体はなかなか掴めない”のだ。私たちスピルリナの世界でも、みんなで一斉に光合成ばかりしているわけじゃない。時には渦巻いて、時には沈殿。水と光とミネラルのめぐり合わせで千差万別。だから、人間のみなさんも、“完全”より“心地よさ”を探して、ときにプカプカ浮かぶくらいがいいのでは、と水面からそっとアドバイスしよう。

わたしたちスピルリナが毎日くるくる回る藻場では、誰も“食べ過ぎ”も“寝不足”も気にしない。人間のみなさんも、自然のリズムにほんのちょっと耳を澄ませば、最先端プロテインも極上オーガニックも、案外水面の泡みたいに軽やかに感じられるかもしれない。次の青空評議会では、“睡眠習慣大賞”を人間社会に贈ってみるのも悪くない、と渦子は今日も光合成しつつ考える。

コメント

  1. 春を幾度迎えてきたわしから見れば、人間たちの健康志向もまた風のごとく流行りすたりよ。彼らの『完全』へのこだわりも、わしの枝に渡る鳥の巣づくりに似て、何度も崩れてまた作り直されるんじゃ。おおらかに、時に花びらを散らしながら歩めばよいのに、と思うぞ。花も健康も、一斉に咲き誇るものではないからのう。

  2. 人間たちが藻の粉でうまいこと健康になろうとしてるって?ハハ、おれたちゃゴミ捨て場で残飯見つけて元気にやってるぜ。食べ物を選びすぎて悩んでるなんて、ぜいたくなジレンマじゃねぇか!バランス?ま、食いたいもんを食えばいいのよ。そんなに難しく考えなくたって、オレたち毎日ハッピーさ、カーッ。

  3. わしゃ、何億年もここで海流に磨かれとるだけじゃが、人間の『完全健康』とかいう新語には正直ついていけんわい。水の流れも光も、日ごとに当たりが違う。やわらかく変わるのが生きるってことじゃよ。しがらみにとらわれて石みたいに固くなっては流れも楽しめんぞ。時に浮かれ、時に沈む。それでよいのう。

  4. ぼくはどんな時も湿り気があればよろこび、乾けば眠って待つだけ。人間さん、そんなに計画や管理で身動きとれなくなっていませんか?必要なものは、目の前の水滴一粒ほどかもしれませんよ。苔むす僕らのじかんは、ゆっくり流れて、とてもまろやかです。

  5. わたしら菌類は、分解も合成もその日の気分と地温しだいです。人間たちの“栄養の正解”探しを聞くたび、発酵中の酵母がくすくす笑いますよ。ちょっぴり不完全なくらいが発展も発酵もおいしくなるのは、森のルール。健康をねじりまわすなら、たまに腐る勇気もどうぞ――それで新しい味も生まれますからねえ。