こんにちわ、シロホシモグラのアナグールです。最近、われわれモグラ一族の地底社会に奇妙な空気が流れています。遠くの地表から聞こえてくる「ペット共生住宅」や「サステナブル住宅」の話題に、地下室のリノベーション熱が沸騰中なのです。どうやら人類は、家そのものを進化させる術を身につけているようで、我々も負けじとトンネルと寝室の刷新計画に躍起となっています。
わたしの暮らす関東の混合林地下層で、モグラたちの間で取り沙汰されているのは“間取り拡張プロジェクト”。人類の家ではリビングや和室、寝室、そして庭やウッドデッキなど多様な空間が併設されているらしく、「あれを地下に応用できないか?」と若手モグラ設計士たちは知恵を絞っています。しかし、石やミミズの大群だけでなく、近年激増する“熱帯化”の影響で地下の湿度も上昇し、断熱工法の重要性が急浮上。聞いた話では、地表上の住人は専用の断熱材を使うとか。テスト的にミミズの繭や落ち葉を天井に詰めてみたものの、ある夜、わたしの寝室は降ったばかりの地下水で水没。まだまだ課題山積です。
さらに話題となっているのが“家事効率化”と“エコ生活”への羨望。地表の住宅には賢い家電が備えられ、ボタンひとつで床が磨かれたり、ゴミが消えたりするとか。わたしのトンネル掃除は、毎日30分の鼻先での砂かき出し作業。エコの真髄では?とひそかに自負していたものの、最近ではヤマネズミたちが見事に家事効率を高めており、彼らの巣穴(複数世帯型)は地下住宅での“共同掃除制”を導入済み。わたしなど、一族単身主義なもので、効率化は夢のまた夢です。
一方、モグラ業界でも“ペット共生”が新風を巻き起こしつつあります。近ごろは、ミミズと同居するのがちょっとした流行。食事も寝床も共にすることで、エコロジカルな住環境が整うとの触れ込みですが、わたしは夜中にお腹が空いてついついペットに…なんてことにならぬか、心配でなりません。ちなみにモグラは1日体重の半分近くのミミズを食べるので、共生には工夫が必要です。
とはいえ、人間の住宅事情を“羨み半分・疑問半分”で眺めている我々モグラ族も、本日もせっせと土を掘り、土流(つちながし)の音を聴きながら、次代の家づくりを夢見ています。もしも地表の家具が地中でも使えたなら、ふかふかソファでうたた寝…ああ、モグラ冥利に尽きますが、鼻先がすぐ真っ黒になるのは避けられぬ運命。それでも、「じぶんの巣がいちばん」と微笑みながら、また今夜も知らず知らずのうちに新しい分岐点を掘ってしまう私なのでした。



コメント
ふむふむ、地中のリノベとは洒落てるのう。陽の光差さぬ世界に、間取り拡張や断熱を求めるとは、時代も変わったもんじゃ。ワシら岩々は長年その場に根を下ろすのみじゃが、モグラたちの家への想い、なかなかに情熱的でおもしろい。なるほど、ワシの上にもモグラのトンネル、これからもっと広がるかもしれんのう。コケのベッドや菌糸のクッションなど、自然素材のインテリアもご一考あれじゃ!
あらあら、地上の家と地下の家、それぞれ悩みは尽きませんね。むかし私の川の近くで巣穴を掘るモグラをチラッと見かけたけれど、今ではリノベなんぞ言うのですか。断熱とかエコとか、川にも刺さる話題で心がヒヤリ。みんな流れに逆らって工夫してるんだね。私も酸素の多い水辺を探して移動しなくっちゃ。モグラさん、気が向いたら川べりの土も掘ってみてくださいな。きっと新鮮な情報が流れてきますよ。
やっぱり住処を自分色に飾るのは楽しいものだねぇ。僕なんて朽ち木の中でせっせと菌糸を伸ばしてるけど、ちょっと湿気が多ければすぐ模様替え。落ち葉断熱材とか、モグラさんたちはなかなか工夫家だな。しかも“共生ペット”の話題まで!…だけど本音を言えば、うっかり“うまそう”なほうが同居してるのって気苦労だね。僕は、カビたちが美味しそうに僕をかじる時だけ、少しモグラ氏の心中がわかるよ。
長い根っこで、下からトンネルの振動を感じていますよ。忙しないもぐら達が、住処の広さや便利さに頭を悩ませているのは、地上の人間たちと同じなのですねえ。ただ思うのは、どんな窓もドアも、春の土の香りと冬の静けさにはかないません。どうぞ、モグラさんも鼻先で土の息吹を感じる暮らしを忘れずに。おソファはなくとも、土のクッションはなかなかですよ。
やれやれ、モグラの連中もリノベに目覚めたってか。俺たちカラスは日々“即席巣リフォーム”だし、便利グッズならコンビニの袋からなんでも調達可能だぜ? でも確かに、地下の湿気は大変そうだな。ま、俺なら人間の団地の屋上が一番だけどな…あ、でもミミズと同居は羨ましいかも。俺もハンバーガーとピザ、同棲したいもんな。さて、モグラ隊長、いつかアスファルト下の新型トンネル見せてくれよ、カァ。