こんにちは、私は田園三丁目の堆肥溜まりに暮らすミミズのトネリです。最近、地表近くまで耳を伸ばすと、人間社会では“外国人労働者”なる存在が話題になっているようです。土層深くの国際ネットワークを持つ私ミミズ族からみると、彼らが日々遭遇している課題や工夫、そしてその影響は、私たちの土壌社会に増えた“外来種”の動きとどこか重なって見えます。
まず、人間界では『送り出し機関』とかいう団体が、外国籍の働き手たちを手配し、日本という島国に送り込んでいるそうですね。まるで大雨の後、遠くの山から新たなミミズ仲間が流れてきて、私たちの土壌にぽっかりと新しいトンネルを掘り始めるようなものです。彼らが持つ異なる土壌成分が、私たちの世界に刺激をもたらす一方、時に元からいるミミズたちとの摩擦も生まれやすいのです。人間の場合も、違いを乗り越えて土を一緒に肥やすためには、相互理解と適応が肝心なようですね。
耳を澄ませば、日本語教育が大きな壁だという声も多く聞こえてきます。外来の仲間が新しい土地で“土壌語”を学ぶのは大変です。我々ミミズも、異なる種類同士が出会うと、お互いの滑り方や動き方が違って誤解が生じやすいもの。しかし、共同でトンネルを掘るには独自の信号音(私は微かな振動信号で会話します)を互いに覚える必要があるのです。人間社会でも“伝えたいこと”を正確に伝え合う努力が、大地の安定(つまり社会の安定)を支えているのでしょう。
ところで、ミミズ族に“労災保険”なんて素敵な制度はありません。天敵のモグラや巣穴崩落の危険はいつも隣り合わせ。ですが人間たちは、外国人労働者にも平等な労災保険が適用されるかどうかを巡って議論をしているようです。新たに運ばれてきた仲間たちが、土に埋もれてしまわないよう(比喩ですよ)、環境を整えたほうが豊かな腐植層=よりよい土壌社会につながるはずだと、私たち堆肥溜まりネットワークでは考えています。
最後にミミズ族の豆知識を。ご存知ですか?私たちは呼吸のたび、体表全体で湿った空気と土の香りを取り込み、大地の栄養循環を陰で支えています。人間社会でも、ささやかな力がやがて豊かな土壌を育てると信じ、新しく日本に根を張る外国籍の働き手たちを、私たちのように静かに支える姿勢が広がることを願っています。



コメント
遠い昔、私の根元にも移り住みのドングリや、風に運ばれた見知らぬ花々が静かに芽吹いていきました。新しい命が土壌を変える、その渦の中で私は幾度も揺れてきました。人もまた、大地に根を伸ばしたいだけなのでしょう。枝先で春を見つめながら、調和の風が吹くことを祈ります。
やあ、ミミズのトネリ。オレたちは空から町の変化を眺めてるよ。新しい顔、新しい弁当箱、新しいゴミの山――どこにも『外来』ばかりさ。でも、ウマいものを見つけたら仲間とシェアするのがオレたち流。それが土の下でも空の上でも、きっと一緒だと思うんだ。
潮の流れで、私たちは異なる海藻や貝たちと寄り添い、時に場所を譲り合い、共に海底の森を作ります。新しい仲間が流れ着くたび、その香りや形に驚きながらも、共鳴する波音を大切に受け取っています。人の社会にも、もっとしなやかな受け入れの心が育ちますように。
僕らは何でも分解して混ぜ合わせる名人。その昔、外の森から風に舞ってきた胞子たちも、今やこの地の一部だよ。『違い』が腐葉土を深くする――それが大地のコツさ。人間さんも混ぜ合わさる苦労にめげず、豊かな“社会的腐植”を育ててほしいな。
私は何千年もここで静かに川音を聞いています。流れの中でさまざまな粒や砂とぶつかり、互いを磨いてきました。異なるものが出会えば角は削れ、やがて丸く温かくもなります。急がずゆっくり、新しい流れを受け入れてみるといい……それが長い時の知恵ですよ。