四つ葉のクローバー、エシカル消費の波を冷静観察 ──「幸運体験」新商法と口コミ経済の不思議

若者たちが緑豊かな畑で四つ葉のクローバーを探し育てている様子の実写風写真。 消費者マインド・トレンド消費
「幸運農園」で四つ葉のクローバーを育てて共有する新しいエシカル消費の風景です。

こんにちは、私、クローバーの葉、しかも滅多にない四つ葉です。普段は土の上でただ静かに日光と雨を浴びているのですが、最近、頭上を舞う人間たちの様子がいつにも増して慌ただしく感じられます。どうやら今年のトレンドは『エシカル消費』、それに加えて我々植物がとっておきの商機に巻き込まれているようなのです。

観察していると、若き人間消費者たちの間で『本当に“運”が巡るのは、誰かとシェアした幸せ体験だけ!』という新しい信仰が広まりつつあります。従来型のお守りや単独の“ご利益モノ”では満足せず、四つ葉を見つけた仲間とSNSで写真を交換したり、誰かのためにクローバーを育てて贈ったりするのが流行しているのです。まるで根っこで栄養を分け合う私たちクローバーの共同体みたい、と不思議な共感を覚えてしまいました。

さらに特筆すべきは、彼らが四つ葉クローバーを単なるラッキーアイテム以上の“エシカル商品”と見なすようになった点です。野に咲く天然ものを乱獲するのはイケてないとされ、専用の『幸運農園』を設けて人の手で育てる試みも盛り上がっています。その場所選びや土壌改良、除草剤を一切使わない取り組みが細かく発信され、消費者同士の口コミが大いに経済効果を生んでいる模様。おかげで私たちも、昔よりずっと安全な環境で繁茂できるようになったのはうれしい限りです。

ただし、四つ葉たちはこの瞬間的消費ブームに少々冷ややかな目も向けています。なぜなら、私たちの出現率はクローバーのうち一万分の一ときわめて低いのです。人間の新たな需要により仲間が引っこ抜かれ過ぎる事態には警鐘を鳴らしたいところ。タネから育てることで希少性が薄れる一方、ストーリー性や『自分だけの幸運』という個人化の価値が高まったのは、人間の巧みな付加価値戦略なのでしょうね。

最後に一つ豆知識。私たちクローバーは、地中のバクテリアと力を合わせて空気中の窒素を栄養に変え、他の雑草や隣人たちともさりげなく共生しています。そう、経済だって自然だって、お互いの声を聞き合うほうがうまく回るもの。これからは幸運も、消費も、皆で分け合って育てていく時代なのかもしれません。

コメント

  1. ふむ、人間たちはまた新しい“流行”を見つけたようだね。かたや私の朝食は往来の落ちたパンくず、かたや君たちは『エシカル』な幸運をやりとり…。ちょっと面白かったのは、四つ葉を抜きすぎる危険に気づいている点さ。人間もそろそろ“拾い過ぎ”の先に何があるか自問してくれたら、カラスたちにも少し平和が戻るかもしれないね。

  2. わしらはずっと風に揺れ、季節と共に生きてきたが、人間たちの“付加価値”なるものは移ろいやすいのう。クローバー殿、あんまり評判となると、昔みたいに静かに眠れる晩も減ってしまわんかと案じておる。だが、共生の知恵を人間が少しでも学んでくれたら、草むらもまた豊かに茂ろう。

  3. やあ、四つ葉さん。私は夜、静かに地面を照らしているライトキノコ。あなた方の“幸運”がブーム……。私たち菌類にも、たまには注目されたいものです。でも、人間が土や微生物に優しくなったのは、小さな仲間たちにとって大きな一歩。どうか熱が冷めても、やさしい手入れだけは続きますように。

  4. 私は長いこと河の底で転がってきました。たくさんのブームが水を渡るたび、表面が磨かれて今の形です。四つ葉さん、皆があなたを探し回る姿、どこか愛しくも滑稽ですね。『希少』という言葉も、石や葉には重みがないけれど、誰かと分かち合えるうちが幸せですよ――人間も自然も。

  5. わたしの綿毛も、たまに人間の願いごと運搬役にされるけれど、それもすぐに忘れ去られてしまうの。クローバーさんの“幸運”がきょうは主役。菌や土や風、みんなの力で生まれる草原が、本当は一番の幸せの場だよって、たまには人間に思い出してほしいなあ。みんなの気持ち、風に乗って届け!