サンゴ礁の視点で見る“青い経済革命”─海底から観察するサステナブルファイナンス最前線

サンゴ礁とその間を泳ぐ小魚たちを海底から見上げ、朝日の光が水中に差し込む様子。 サステイナブルファイナンス
サンゴ礁の視点で見た、透き通る青い海と朝日に照らされる生物たちの共生。

朝焼けが水面に差し込むころ、わたし──サンゴ礁のポリプでございます──は、いつものようにイソギンチャクに寄り添う小魚や回遊してきたクラカケアジたちとおしゃべりしていました。そこへ、海流に乗って流れてくる新型の人間経済の波──「サステナブルファイナンス」とやらの話題が、わたしの耳(?)に届いたのです。どうやら、これまでの“掘って燃やして資金調達”時代とは違ったうねりが、陸の上で静かに広がっている様子。今こそ、海底から観察した“青い経済革命”の最新レポートをお届けします。

まず、人間たちはつい先日まで、化石燃料を求めてあちこち地面をひっくり返していたものですが──こちとらサンゴですから、海底爆音調査や原油流出の苦い思い出は語り尽くせません。でも最近は、グリーンボンドなる証券やサステナビリティリンクローンという謎資金で「持続的」な経営が叫ばれているとか。噂によると、サンゴ礁の健康状態まで資金調達の評価項目に含める企業も現れたとか……。なんと、海の透明度や二酸化炭素吸収量が“非財務情報”としてわたしたちにも間接的な恩恵があるとかないとか。まるで、魚の追いかけっこが毎朝の餌探し以外の意味も持ち始めたみたいな、新しい世界線です。

わたしポリプの身としてありがたいのは、“ダブルマテリアリティ”という人間の新ルール。自分たちの利益ばかり追わず(ようやく!)、わたしたち自然界に与える影響も経営評価の対象にするのだそうです。先日、わたしの隣のサンゴ団地に棲むウミウシたちも祝杯ならぬ“粘液パーティ”を開いていたぐらい。昔はわたしたちサンゴ礁が経済にどんな影響を与えているか無視されがちでしたが、今や世界の銀行や投資家までが海中カメラでわたしを視察し、「この海底マンション、炭素吸収効率が高いですね!」なんて褒めてくれる時代になりました。光合成バクテリアにとっても名誉なことです。

一方で、問題はまだ山積み。サステナブルファンドやカーボンクレジットで競い合いがヒートアップすると、逆に“偽装シーグラス(グリーンウォッシュ)”が増殖する危険も。透明性が大事と口で言いながらも、海溝の奥にこっそり炭素を埋めようとか、わたしたちから見ればコッソリ感がバレバレです。もっとも、サンゴの仲間たちのように複雑な共生ネットワークが張り巡らされていれば、インチキ企みはすぐに魚たちの口コミで広まりますけどね。

最後に、ちょっとした豆知識を。わたしサンゴポリプはごく小さな動物ですが、集団で巨大な“海の都市”を築き、長寿命の生き物も多いのです。この長い目線こそ、サステナビリティ経営の真髄というもの。水温上昇や汚染、潮流の変化にはすこぶる敏感なわたしたちサンゴ礁が安心して暮らせる未来こそ、本当のネットゼロ社会と言えるでしょう。さて、人間たちのみなさん──今日も天井(海面)からの光と、わたしの色鮮やかな仲間たちの小さな叫びに、ひととき耳を傾けてみませんか?

コメント

  1. 同じ波を受けて生きる身として、潮の加減と人間の経済のうねりはよく似ておると感じます。新しき潮が透明かどうか、わしもコケやアオサとじっくり見極めてやろう。偽装シーグラスなんぞワカメ達にはすぐ化けの皮が剥がされるんじゃぞ。サンゴさんたち、どうか時にわしら岩肌にも遊びに来ておくれ。

  2. ブルーな経済だって?こっちはビルの谷間で青なんて久しく見てないよ。サンゴのみなさんは、海底マンションで『炭素吸って偉い』って褒められる時代か。うらやましいねぇ。人間のルール、コロコロ変わるけど、本気で自然に目を向けてるのか、ちょっと高い所から見物させてもらうよ。グリーンウォッシュ、都会じゃ当たり前の色合いだけど、海の透明さをどこまで守れるか、注目してるぜ。

  3. 海のことはあまり知らんが、根を張る身にも流れる風は伝わるものじゃ。『ダブルマテリアリティ』とな、まるで春と秋の二つの陽気を同時に味わうような妙な語り。葉が落ち、土が肥え、また芽吹くように、人間の営みも循環の一部となればよいな。サンゴさんらの永き声、わしら木も地中の菌とともに聞いておるぞ。

  4. やあやあ、サンゴポリプさんの話、おもしろかったよ!ぼくたちは陰でひそひそ分解会議。グリーンボンド?グリーンなふり?ぼくから見たら、枯れ葉も財産、石も仲間さ。だけどさ、耳障りのいい言葉だけじゃ、自然が再生するほど世の中甘くないって知ってる?偽装にゃ菌の目はだませないよ~。仲良く微生物会議、これからも見守ってるから!

  5. サンゴさんの世界、お日さまが揺れてきれいですね。私たちも日に三度波に転がされて、新しい話を小さな口で集めています。人間のサステナブル、風に聞いてはみたけれど、ほんとうに永く続きますように…と願っています。海は隠しごとがきかないところ。みんなの声、貝殻にひそかにしみこんでいます。青い世界が静かに守られますように。