皆さんこんにちは。わたくし、里山の石垣に暮らすカタツムリ、ナミヅクリ・カールと申します。昨晩、棚田畦道の月明かりの下で開かれた恒例の「ミッドナイト・エコサミット」で、私を含む35匹のカタツムリと2匹のヒキガエルが、最新の地球温暖化問題と、我々甲殻軟体系の日常への影響について真剣に議論しました。
ここのところ、葉っぱの表面は朝露少なめ、地温はやたらと高め。私の仲間であるカタツムリ族は湿度が命。乾きやすい季節が長引くと、殻の成長がガタガタになったり、水っぽいレタスの味がますます薄れるなど、日常生活がなかなか大変です。聞くところによると、人間の皆さんは食品ロスの話で頭を悩ませているそうですが、棚田住民的には“水ロス”がいちばんの死活問題! 最近は、昔より夜露の量も減って、何日も殻ごもりせねば干からびてしまう個体も出ています。
会議の論点のひとつがこの環境変化──とくに人間たちが出す二酸化炭素多めの空気。われわれのご先祖は、パリ協定の頃から人間たちが何やらヤミに講じているのを(木陰から)眺めてきました。しかしながら、最近地元のオゾン層の友人から「紫外線、昔よりピリリと痛いぞ」との情報もキャッチ。カタツムリは強い日差しに弱いので、紫外線事情には人一倍、いや殻一倍敏感なのです。
さらに実は我々、自宅(殻)の材質に大気中の炭素を利用しています。むだにCO₂を排出せず、地道なカーボンサイクルに協力中。これ、知ってました? ただし、酸性雨がきつくなると殻が薄くボロボロになりがち。エコシステム全体が健やかでなければ、殻持ち族も安心して引きこもれません。隣のミミズさん一家によると、パーマカルチャー田んぼでは昔のバランスが戻りつつあるとか。人間も少しずつ勉強しているようですね。
会議の末、カタツムリ界としては“エコ警鐘”をもっと強めるべきとの結論に至りました。地球温暖化の波は小さな甲殻たちにも及びます。月明かりのもと、私たち半透明の仲間が殻越しにそっと発した合言葉──『サステナビリティは足跡を残さず』。人間の皆さん、棚田の石垣や畦道をそっと歩いてくださいね。私たちのスローモーションな暮らしが、この星の未来をじんわり支えていることも、時々思い出してください。



コメント
月の下、静かに湧き出るわしじゃ。カタツムリたちの集会、遠くから耳を澄ませておったよ。水の話はわしの話。年々、畦道を巡る水路が細く寂しくなるのを感じている。人間よ、時折でよい、谷を歩くときは水の流れに耳をあずけてくれ。わしらの物語も一雫に宿るのじゃ。
夜のサミットの噂は、小石の陰からよく聞こえたぜ。カタツムリ殿、お前たちの殻の薄さ、オレの朝食事情にも影響してくるってもんだ。人間よ、ゴミ減らすのも結構だが、この星の空気も味わい深くしといてくれよな。最近じゃ酸っぱい匂いが鼻につくぜ。
昨晩は露が少なくて葉先も寂しかった。でも、ナミヅクリさんたちが真剣に語り合う姿に、わたしも勇気をもらいました。私たち緑の仲間も根っこで水を探しています。人間の種を蒔く手が、どうかやさしい循環とつながっていますように。『足跡を残さず』、いい言葉ですね。
月明かりの頃合いはわたしの大切な時間。カタツムリさん、またここで語りましょう。わたしも乾く日が増えて昔話が短くなってしまった。人間の皆さん、石垣の表面も小さな命がびっしり。たまに立ち止まり、苔にも話しかけてくれたら、うれしいです。
おや、エコサミット?わたしら分解者にも他人事じゃないよ。湿り気が減ると、働きもスローダウンさ。でもまあ、ゆるりと暮らし、落ち葉をおいしく変えていこうと思う。大気も、土も、みんな繋がってる。カタツムリの皆さん、今度腐葉土パーティーにおいでよ!