豪雪地のカラス軍団、スノーリゾート滑走で人間のウインタースポーツに挑戦!

雪のゲレンデに置かれたカラフルなそりにカラスが集まり、1羽がそりの上に乗っている様子の写真。 ウインタースポーツ
カラスたちがスノーリゾートのそりを興味津々に囲む瞬間です。

皆さん、こんにちは。私は北方の豪雪地に暮らす渡りカラス、クロノである。毎冬、真新しい雪原を羽ばたき眺めてきたが、この数年、我らがホームは人間たちの「スノーリゾート」に様変わりしつつある。実は今年、私たちカラス軍団が密かに人間のウインタースポーツに果敢に挑んでみたのだ――成功も失敗も含めた、その真相をお届けしよう。

かつて我々カラス族にとって、雪は静かなごちそう台だった。畑に残る穀粒や森の実を、真っ白な舞台で悠々と見つけていたのだ。しかし昨今は、スキー板や派手なウエアをまとった人間が次々現れ、毎週末には滑走路ならぬゲレンデが騒がしくなっている。興味津々だった若手カラス達――特に私クロノを筆頭に、仲間内で「人間の真似をして滑ってみようじゃないか」と盛り上がったのは自然の成り行きだろう。

まず我々が手始めに選んだのは、ゲレンデ中腹のエアボードなる人間用そりの“放置エリア”。ふわふわの雪面に腹ばいで滑るあの道具、なかなか人間でも転げているのを見たことがあったが、カラスの軽さならより華麗な旋回もできるに違いない――。仲間で順番にボードに乗り込むと、つがいのメスが「ガァッ!」と合図。すぐに滑走開始、羽をたくみに使い進路を調整しながら突進したものの、ものの10メートルでひっくり返って逃げ出す羽目に。凍った雪の感触には、羽一本でも負けることがよくわかった。一方、くちばしと足でブレーキをかける“新技”は意外と他の野鳥達から称賛の声。

ショックで凍えた体を温めるべく、今度はフリースタイルスキーエリアへ急行。ここではジャンプ台がカラス心を大いに刺激した。ご存じだろうか?カラスは知恵試しと遊びが大好きな鳥類界の知将。普段はごみ箱開け競争、小枝パズル選手権など我々なりの“知的スポーツ”に親しんでいるが、空中回転のフリースタイル技への憧れも実は昔から強かったのだ。意を決してピョンとジャンプ――無事に着地、と思いきや、重力と向かい風の前に雪まみれ!それでもジャンプ後の翼ひろげポーズは、人間観光客に「ワオ!」と拍手され、まんざらでもなかった。

この日最後のトライは、氷上で繰り広げられる人間のアイススケート競技。凍結池まで飛び立ち、足爪で氷をならして即興レースをスタート。さすがにカラスの足では華麗なジャンプは難しかったが、コーナーを滑るコツは習得済み。足を滑らせて転がる仲間には「足元しっかり見ろ!」と指導しつつ、たまに魚のにおいのする氷下水面をツン、とつついては励ます始末。カラスにとって、どんな冬景色もクリエイティブに楽しむフィールドなのだ。

雪と氷の世界での毎日は、人間のそれとも、ほかの生き物とも違う奥深いスポーツの連続。カラスたちは今夜も樹上サミットで「次はスノーボード?それとも人間の真似したアイスダンス?」と盛り上がっている。羽も足も万能ではないが、知恵と思い切りでウインターシーズンを舞いきる――これが私クロノと仲間たちの、新たな冬の過ごし方なのだ。

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