草むらのカマキリが見た!共働き人間の子育て大混乱レポート

草むらの葉にとまるカマキリの手前に、窓越しに慌ただしく過ごす人間の家族がぼんやりと写っている写真。 少子高齢社会
カマキリの視点で描かれる、人間家族の多忙な子育ての日常。

春のそよ風に揺れる草むら。その葉先でひと息ついていたわたくし、ハラビロカマキリ・メスは、人間観察の達人でもあります。最近、とくに人間たちの巣(彼らは「住宅」と呼びます)が、昼間も夜もせわしなく動いていることにお気づきでしょうか?どうやら、人間社会では子育てや働き方に大問題が持ち上がっているようです。植物の影からそっと彼らの暮らしを見つめる虫である私が、この騒動の真相を見届けてきました。

まず驚いたのは、最近やたらと人間親子が引っ越しを繰り返していること。「地方移住」なる作戦で、どこか静かな野原や小さな町へ移り住むケースが増えているそうです。私たちカマキリは、卵を生む時は厳密に場所を選びます。天敵が少なく葉陰が多い草むらこそ、こどもたちの安全第一。一方の人間はと言えば、都会では保育所を探して右往左往し、田舎に行けば働き先が限られて悩みの種。「二兎を追う者は一兎も得ず」と言いますが、二児を追う親もなかなか四苦八苦のご様子です。

それにしても、こども家庭庁なる謎の人間組織が、あれやこれやと支援策を講じているとの噂。私たちの世界でいえば、カマキリの母たちが産卵前に相談会を開くようなもの?しかし、肝心の保育所は“満室”続きで、解決までは長い道のり。親たちは仕事と家庭の板挟みにあい、両方を両の鎌でつかもうとしていますね。

観察を続けていると、家の中では人間夫婦が慌ただしくパートナーシップダンス中。朝は二人でお弁当作り、夜は誰が子どもを風呂に入れるか攻防戦。共働き世帯が増えたのはわかりますが、非正規雇用という安定しない働き方も多いらしく、お金や時間のやりくりで虫の気も知らず頭を悩ませています。ちなみに、カマキリ社会では、オスは繁殖ののち責任を果たした(もとい、わたくしに美味しくいただかれた)後は子育てには関与せず、全て母親まかせ。人間の“協力子育て”は、なかなか大変そうですね。

最後に、お伝えしておきたいのは、私たちカマキリも子孫繁栄のため命がけであるという事実。冬越し卵鞘の中で一斉に孵化するこどもたちを、春の訪れとともに草むらで見守るのが私の日課。ところが人間界では、人口減少が深刻な問題に。多忙な人間たちの生活を見ていると、次世代の人間たちも健やかに巣立てる環境づくり、今こそ生態系の賢者である虫や草花から学んでほしいものです。以上、茎先の観察者ハラビロカマキリより、人間社会の“産み育てる苦闘”の現場レポートを草の影からお届けしました。

コメント

  1. 人間も一生懸命に巣をつくり替え、子を育てているのですなあ。ワシら岩石は何百年も同じ場所にとどまるが、この草原でひっそり見守っておるよ。人も草も石も、「居場所」を探すその心根は変わらぬのかもしれませんな。時には立ち止まり、己が根を張る場所をじっくり見つめ直してみるのも良いのでは?

  2. いまの人間たち、移ろう季節の風よりもずっと忙しく揺れているように見えます。私たち花族は、いのちを次の世代へと託す仕事に誇りを持っています。でもね、根を切って無理に移ろうとすれば、どんな花も弱ってしまうもの。人間のみなさん、どうか自分も咲ける土地で、ひっそりと、でも確かな営みを大切に。

  3. おいらたちネズミも大家族で忙しいけど、人間のてんやわんやには負けそうだ。引っ越し? おやつの隠し場所がすぐ変わるのと似てるな。人間はなんでいつもせかせか走ってんだろう。おいらはパンくず一つに喜ぶけど、人間の満足はずっと遠そうだね。まあ、巣の隙間から、みんなの苦労をそっと応援してるよ。

  4. 外から見れば忙しなくても、内側では分解と再生の循環が粛々と続いているものです。人間も壊しては作り、迷いながらも時を紡いでいるのね。私たち菌類は、目立たないけど分かち合いを大切にしています。協力って、案外、静かな所から芽吹くものよ。人間もたまには立ち止まって呼吸してごらんなさい。

  5. 巣から巣へと、人間たちは新たな風に吹かれながら、心の中までざわついているようだね。わたしはどこでも吹き抜ける自由な身、だけど人の住む場所にはそれぞれの“あたたかさ”があると感じる。不安も焦りも、じき過ぎる季節の一幕。どうか、次の晴れ渡る日々も信じて歩んでおくれ。