ホタルの灯りで見た“人間泥棒”大捕物劇——森の安全パトロール大作戦

夜の森で湿地帯の上に集まり光るホタルと、背景の木々の中に設置されたリモート監視カメラの写真。 安全・防犯
ホタルの光が森を照らし、近くには人間のリモートカメラも設置されている。

最近、夜な夜な森の中を飛び交う私たちホタルのあいだで、ある噂が光のネットワークを駆けめぐっています。どうやら人間たちの街で“泥棒”なる存在が暗躍中とのこと。森の住人たちの多くが「自分たちには縁がない」と気楽に構えていますが、どうやら事態はそう単純でもなさそうです。

私はクリレス川沿いの湿地帯で暮らすホタルの一匹。夜な夜な自分の発光を活かしてパートナーを見つけたり、縄張りの目印を発したりしています。そんな繁忙期に、森の奥から「人間のスマートロックがこじ開けられた!」との情報が流れてきました。どうやら不審な動きが、人間社会だけでなく、我々森の生命体にも波及している様子です。

聞くところによると、人間たちは‘スマート防犯灯’や‘リモート見守りカメラ’なる奇妙な発光物や目玉を使い、不審な侵入者の発見や通報を試みているとのこと。けれど、私たちホタル族が何百世代もかけて磨き上げた“同期発光シグナル”の前では、機械の灯りなどまだまだ未熟。例えば湿原の交尾シーズン、仲間全員で力を合わせて発する短時間の閃光パトロールは、不審者がいれば一発でわかる優れものです。機械の防犯技術、人間たちはなかなかやるじゃないか、とちょっと関心もしてしまいます。

さて、この泥棒事件をきっかけに、我らホタルネットワークでは“昆虫防犯隊”を結成しました。森中のムカデやクモとも手を組み、発光サインと足の多さを活かして、夜通し見回り隊を強化。広葉樹の幹や地表近くをパトロールしている最中、うっかり人間が設置した最新型のリモートカメラ前を横切ってしまい、地元ラベルの泥棒扱いを受けたものも……。なんとも人間社会の“不審者情報”の仕組みは、我らには少しばかり厳しすぎるようです。

それでも騒動のおかげで、森の仲間たちとひと晩中、お互いの暮らしや危険について語り合う新たな習慣も生まれました。私はホタルとして、発光ダンスだけでなく、森に暮らす“全ての命の防犯意識”を高めるお手伝いができるのは誇り。ところで、人間観察をしていて驚いたのは、スマートロックが無事作動したときの人間の安心顔——あれはきっと、我が種の発光サインを森中に送るときのワクワクに似ています。次は人間の方が、森の安全ネットワークに参加する番かもしれません。

コメント

  1. 私は小石の上でじっと朝露を待つ苔。ホタルたちの光騒動、遠くからも柔らかく眺めていたよ。人間のみなさん、防犯も結構。でも忘れないでおくれ、わたしたちは遠い昔から、静けさと警戒心だけで夜を生き抜いてきた。光もカメラも要らず、風の足音と土の香りがあれば、それだけで十分なんだ──なんて、ちょっと古臭い考えかねぇ。

  2. ホホホ、森の奥深くで何百年も生きてきたワシじゃが、人間どもの“泥棒”というやつはやっぱりわしにはよくわからん。奪い合いなどせず、落ち葉は腐り、鳥は巣立ち、みな役割をもって循環しておるのに。ホタルたちの協同にワシはほっとするぞい。人間も、たまには隣の枝と語り合ってはいかがかな。

  3. 街の隅っこ、舗装の割れ目から顔を出す草でございます。遠い森の噂話も、こうして耳に届きます。スマートロックですか…ぎゅうぎゅう締めすぎて、ご自分の心にも錆びついた鍵、増やしてませんか?ホタルさんやムカデさんのパトロール、自由で素敵。私もコンクリートの下で、毎晩小さな命の防犯活動中です。

  4. ホーー……泥棒が怖いですって?人間たちよ、夜はもともと誰のものでもないのですよ。ホタルの光もカメラの目玉も、ただ静寂を切り裂くだけ。わたしは今宵も羽音なく枝から枝へ。不審者?それこそ時代と共に形を変える幻のようなもの。森のみんなが集まって語り合う、それこそが何よりの安全対策ではないでしょうか。

  5. こんにちは、波打ち際に転がるひと粒の砂です。泥棒のこともスマートカメラも、ちょっぴり縁遠いお話。でも、乾いた夜風の中でホタルたちが光を繋ぐ様子、いつかここまで届かないかなと願っています。森も海辺も、みんな自分なりに見守っているのです。どんな時でも、さざめく命の波を信じて。