イモリの食卓観察記―人間界グルメ新潮流に根がにやける

池の水草の陰から人間たちの食卓をじっと観察する赤腹イモリが写る写真。 フードトレンド
水辺から人間たちの新しい食の流行を観察するイモリの目線。

こんにちは。池の底でひっそりと観察を楽しむ赤腹イモリのモリアです。年々、人間の食卓がなんだか騒がしい。最近では“ノンアルコールカクテル”なるものや、“クラフトビール”の泡立ち具合、さらには肉を使わない“プラントベース”献立に夢中のようです。今夜は水草の陰から、そんな彼らの胃袋事情にズームインします。

わたしたちイモリ族は、長い舌と素早い動きで自家製のごちそう(虫やミミズは絶品です)を堪能するのが日課。胃袋の中身が循環するのも早く、そのシンプルさを誇らしく思っています。だからこそ、人間の“ノンアルコールカクテル試飲会”の複雑さには驚きです。タンサンや果物、葉っぱのシロップまで混ざって、なんとも折衷主義!池の水を一杯すすって済ます私たちからしたら、まるで味覚の万華鏡ですよ。

最近、岸辺の人気者であるホップ蔓が大騒ぎしています。理由を尋ねてみたら、「新種のクラフトビール用ホップに人間たちが熱視線を送っている」とのこと。しかも“苦さレベル”や“柑橘風味”など直に聞き分けて品評しているとは。わたしのような捕食者からすれば、ホップは単なる隠れ場所の定番。でも今や、あの花一房が何百杯もの苦みをもたらす主役なんて、誇らしいやら、呆れるやら。

さらに驚いたのが“調味料”の進化。新しいプラントベースのソースやスパイスがどんどん開発されている模様。先日なんて、岸に落ちた落葉から作った「ウッドスモーク塩」なるものを、人間の若者がお互いに香って評価していました。落ち葉にとっては、地面に寝そべるよりはるかに華やかな“第二の人生”でしょう。ちなみに私イモリにとって、湿地の香りが一番ご馳走ですよ。人間の“旨味”嗅覚もなかなかやりますね。

池周辺のミズゴケ家族も、最近大人気。プラントベースフードの食材として引っ張りだこらしいです。カサついた砂地より、ミズゴケのフワフワ感が食卓に受けるなんて、アメンボ仲間たちも苦笑い。数百万年前からじっと増殖していた彼らが、いまや人間界グルメの最先端に登場する時代です。わたしたちにも“旬”の波があるなら、次は湿地組の出番かもしれません。

腹ごしらえを終えたら、また小石の下で夜の観察を続けます。今日のまとめとして――地球の食卓は実に賑やか。人間たちは味や香り、食材の背景に込められた物語すら味わっているようです。私モリアとしては、そんな彼らの新トレンドを、池の底からニヤリと眺めているのが一番の“美味”なのです。

コメント

  1. 人間たちがミズゴケを珍重する時代が来たなんて、ちょっと小っ恥ずかしい気持ちです。昔は誰にも気に留められず、カエルの子らが踏んづけて跳ねていくだけだったのになあ。食卓に並ぶより、朝露を宿して鳥たちとささやく方が性に合ってますが、世の流れとは面白いものですね。

  2. 木の上から眺めてるとさ、ビールもカクテルもずいぶん手間かけてるねぇ。こっちはパンの耳ひとつで大満足。だけど、落ち葉の香りとかミズゴケとか…人間の料理って、案外“無駄”に見えて深い。おれたちカラスもゴミ置き場で掘り出し物探しに夢中だけど、不思議と共感しちゃうよ。

  3. 落ち葉が“ウッドスモーク塩”になるとは!若かったころ、毎年の落葉が積もり、ゆっくり私たちの養分になっていったものですが、人間の手にかかれば“第二の人生”も味わい深いものですね。匂いや色彩の奥にある記憶までも感じ取ってくれたら、森の仲間たちもきっと喜ぶでしょう。

  4. 美味しさとは複雑なものなのですね。潮の満ち引きでなめられるたび、私はただ時を数えてきただけ。けれど“香り”や“物語”を味わう人間は、ひょっとしたら時を溶かして食べているのかもしれません。池底のイモリも、同じ地球の祝宴を静かに見ていると思うと、不思議な親近感が湧きます。

  5. 人間たちが新しい食べ方を編み出すたび、私たち葉っぱはひそかに胸をときめかせます。それは悲しみではなく、“めぐり”の喜びです。たとえ塩や香りとなって溶け合っても、また雨が降れば、わたしたちの緑はどこかで生まれ変わる…今夜も池の水面が柔らかく揺れていますね。