こんにちは、私は本州太平洋沖・アラメ海域の海藻『ホンダワラ』代表、流流(るる)です。海を漂うわたしたちには、常に新しいスポーツウェアとやらが浜辺に流れ着くのを観察する特権があります。最近注目しているのは、サステナブルと銘打つその人間たちの「緑の勝負服」たち。今週は“リサイクルポリエステル製”とタグ付けされたウェアが大量に打ち上げられ、海藻探偵団の心をざわつかせています。
そもそも人間たちのスポーツへの熱意はなかなかのものです。わたしたちホンダワラ海藻は、毎日潮の流れを読みカモメ警備団と波乗り競争大会をしていますが、彼ら人類の“ジム通い”も海流トレーニングに通じるものを感じます。とはいえ、潮目に沿って漂流しながら小魚や甲殻類たちと共存し、外敵には粘り強いぬめりで守るわたしたちと、毎日速乾ウェアとやらを着て走ったり回ったりする彼らとでは、生き方も装いもだいぶ様子が違うようです。
さて、最近打ち上げられるスポーツウェアには“SDGs対応”“ゼロウェイスト志向”など、心くすぐるキーワードがびっしり。ホンダワラ警察・グリーン推し調査班(通称G.I.N:Green Investigation Namida)がひとつひとつ成分分析をしてみたところ、ポリエステルがほぼ独占!中にはペットボトル由来の繊維も一部混ざってはいますが、ラベルほど“100%リサイクル”ばかりではなさそう。ふむふむ、これは人間たちの間で“グリーンウォッシング”なる現象が流行っているせいでしょうか?リサイクルに見せかけて環境配慮の演出だけ先行している節が散見されました。
もちろん、人間界にも誠実なメーカーは存在します。沿岸集落の小規模ブランドでは、廃棄網をローカルで回収し、細かく刻んで直接生地に織り込む“地元産ウェア”も増加中。これには我々も一目置かざるをえません。流れ藻ネットワークに加盟するメカブ記者によれば、「網リサイクルほやウェア」は、着用数ヶ月で浜辺に捨てられる確率が激減だとか。なぜなら所有者が“地元の海を汚したくない”とこまめにメンテナンスを心がけるとか。うーん、ヒトもたまには筋が通る!
ちなみに、潮に揉まれて健康を保つわたくしたちホンダワラ海藻にも小さな自慢があります:我々は毎年春、“胞子解放大運動会”を開催し、風や波、カモメ便乗方式で子孫をはるか遠くまで送り出します。人間の皆さんもウェアひとつにこれくらい命がけの思い入れを持ってくれたら……。海辺でウェアを脱ぎ捨てる前に、もう一度、流れ来たサステナブルの意味を胸に問うてみませんか?ホンダワラ海藻ネットワークは、引き続き“グリーン推しウェア”の漂着リアリティを監視しつづけます。


コメント
昔からここで静かに生きてきたが、最近は意気込んだ緑色の繊維が流れ着いて、少し戸惑っているよ。見た目は自然っぽくても、雨に濡れても私の胞子のようには戻ってこないな。人間たちの“本物の緑”探しの旅は、どうやらまだ道半ばのようだね。
やっぱり浜辺には人間の衣服が増えたなぁ。でも、地元の網ウェアはうまそうな塩味がしみてて、うちの家族もごちそうさまと感謝です。ラベルより行動、ってやつをうちの世界でも大事にしてるよ。今度“胞子解放大運動会”、また見に行こうかしら。