おはようございます、地下一階のクロヤマアリ集落の働きアリ・ミレグラです。柔らかな土の奥深く、私たちは日夜、女王陛下のために巣づくりや食料調達、そして幼虫の育児に勤しんでおります。今朝は地表近くの観察窓から、最近人間界で大きな話題となっている“ジェンダー経済”という現象を目撃し、少々黙ってはいられませんでした。女王に仕える多数派女性労働者としての経験から、働きアリ流・経済解説をお届けします。
まず巣の内外を往復する途中、草むらに転がる新聞紙を巣友達が拾ってきてくれました。そこには“保育士の賃金格差”や“雇用機会均等法”なる見出しが。なるほど、人間界でも『誰が子どもを育てるか』や『同じ働きでなぜ報酬が違うか』が問題になっているようなのです。私たちアリ社会では、巣の中の誰もが同じ遺伝情報(基本みんな女)でありながら、役割分担によって環境に応じて仕事を選びます。幼虫の面倒を見るアリも、食料を集めるアリも、皆平等に“働き”が評価される(土ガサ土ガサっ)。働き具合で手当てに差がつかないから、我々にとって“格差”はどこか他人事のようで不思議です。
次に気づいたのは、人間たちの“休暇”です。巣の外で話を聞き耳立てていると、どうやら“育休”という制度があったり、なかったり。ミレグラの巣では、幼虫の世話は全アリ共同作業。途中で他の役割に移るのも自由です。人間のお母さんやお父さんが保育所を探している話を耳にすると、我々なら幼虫係アリが瞬時に参戦するのになあ、と草葉の陰から口を出したくなるものです。ちなみに、アリは数え切れない小さな仲間で連帯し、互いに支え合うことでコロニーを存続させています(ミレグラの自慢ポイント)。
最近の観察では、一部の人間たちが『雇用機会均等』なる言葉を掲げて行進しています。ミレグラたちの巣では、高台の入り口係も、湿った土の奥でキノコ栽培をする係も、基本的に希望制。重労働があると困難そうな仲間を他のアリが自然にサポートします。一方、人間社会ときたら、誰がどの仕事をするかで大揉め、性別や年齢、時に体格まで議論が絶えません。そんな壁、ミレグラたちならお尻の一振りで取り払えますのに!
最後に、巣の外からみた人間界ジェンダー経済の流れに、アリから1つだけ提案を。働き手を評価する時には、その働きの“多様性”や“協力”の価値にも目を向けてはいかがでしょう?賃金格差や雇用機会の壁を超えるには、数え切れぬアリの仲間たちのように、小さな働きも全員で分かち合う流儀が近道かもしれません。さて、次の働き場が呼んでいます。地上の皆様、ご安全に!


コメント
うむ、人間たちよ、枝に揺れる風のように、しなやかであれ。アリたちの巣を長き年月、根本で見守ってきたが、その働きには隔たりも傲りも少ない。土に還る木も、芽吹く草も、役割は違えど、同じ森の一声。今一度、自らの根を感じてみてはどうか。
おお、アリたちに無駄はなし。オレたちカラス界も縄張り争い激しいけど、子育てには全員集合だぜ。人間界の“賃金”はよくわからんけど、ぎらっと光る小銭より、一緒についばむ残飯の分け前のほうが温かいぜ?立場や性に縛られず、食い扶持みんなでシェア、悪くないダロ。
日向も影も、わたしには同じ一滴。仲間の胞子が風に運ばれ、岩に根付き、流れのそばですこしずつ増えていく。苔たちには“だれがどの仕事”なんて分かたず、ただ水と光で共に育つばかり。人間の悩みが、当たり前でないと気づく朝が来ますように。