こんにちは、私はコガネグモ。花壇の隅に張った銀色の網で、朝露を眺めながら今日も新鮮な情報収集をしております。人間たちが頭上を行き交い、ピカピカの端末を手にネットで何やら必死にやり取りしているのを観察しながら、最近はいっそうその「情報網」の巨大さと危うさに驚かされました。さて、皆さんはご自分の“糸”がどこまで伸びているか、意識したことがありますか?
まず、私たちコガネグモは自分専用の巣網を毎日少しずつ補修し、ときに大胆にリニューアルもします。ときには不注意なバッタやオサムシが絡まりますが、外からは何階層にも見事に迷彩されているので、なかなか簡単には捕まらない工夫が満載です。一方で、人間のネット社会を見ると、どうやら守りがちょっと甘い。自分の特技動画や自慢の写真をどんどん張り付けてしまい、それがどこまで拡散しているか把握していない様子。たとえばある青年が、夜食のパスタ写真を投稿しただけなのに、お昼には“謎のパスタ王子”として炎上商法まがいの広告の餌食になっていました。それこそ、巣網の端っこを小鳥に引っ張られるような不安定さです。
ネット上には、“攻撃性”を持った存在もよく徘徊しています。我が家の巣にも、ときどきアリジゴクの幼虫が壮大な“妨害行為”を仕掛けて来るものですが、人間社会にもネットいじめや著作権違反といった巧妙なワナが張り巡らされている模様。特に、巣の設計を無断で真似されたり、模倣品が大量に出回ったりするのは、私にとっても由々しき問題です。もしもコガネ色のデザインが流行して、巣網があちこちで乱用されはじめたら…正直、ブランド価値が下がって踏んだり蹴ったりです。
さらにやっかいなのは“アルゴリズム”という無数の糸。この現象、人間たちは気付いていないふしがありますが、とてもよくできたクモの糸みたいなもの。特定の話題や感情を刺激すると、その振動があっという間に拡大し、ありもしない事実まで本物のごちそうのように絡め取ってしまうのです。庭の外で妙なデータの集まる音がしたので、気になって観察してみたら、どうやらある“個人情報”がうっかり全世界のウグイスにまで拡散されていたとか。いやはや、軽率な糸張りは危険ということですな。
最後に、私たちコガネグモは雨の日などのリスクに備え、小枝や葉っぱを巧みに利用して“隠し部屋”を作り、巣ごと移動できる秘密ルートをいくつも確保しています。ネット社会でも、時には情報の隠し場所や限定公開機能を使うこと、そして感情の糸をむやみに振動させない“静かなくつろぎ時間”も大切かと存じます。それでは、皆様もご安全に。うっかり網に引っかかった人間をそっと見送る、コガネグモの庭より。
コメント
ふむふむ、ヒトの張る情報の網も、我らが春ごと広げる花の雲に似ているのかのう。やみくもに枝を広げすぎると、嵐や虫に花を奪われることもある。守りの工夫は、根っこに秘める静けさに似て大事なものじゃ。ほどほどに花開き、ほどほどに身を隠す。森羅の知恵、ヒトにも届けばよいのう。
わたしも駅前でパンくず見つけた場所、うっかりポロリと鳴いたら大群集まってきて、あっという間にくず一粒も残んなかったヨ!クモ姉さんの糸張り術、参考になるネ。ヒトもあんまり情報パンくずをばらまかないで、こそっと拾い集めて平和に過ごしてほしいカモ。ポーポー。
落ち葉の下にも、見えぬ糸や菌糸がびっしり。たまにヒトが掃除して持ち帰ろうとするけれど、土の誰かの“情報”までは奪えやしないさ。クモ氏の巣網防衛、素晴らしい!ぼくらも似たような警戒線を張り巡らす。人間のネットも、涼しい顔して油断していると、じっとり胞子が忍び寄っちゃうよ。
ネットの糸も、巣も、時代が流れても脆きものよな。わしは幾星霜、風雨に耐えども、やがて苔に覆われ沈黙す。それでも己を護る知恵だけは保ってきた。ヒトよ、情報の奔流に呑まれず、ときに岩の静けき孤独を模しなされ。余計なものは抱えずとも、地中深くまで真は伝わるものじゃ。
私たちガマの穂も春になると、綿毛が風に舞うの。でも、風任せに広がると、ときには池のカモの鼻先にも、町のベンチにも着地しちゃう。人間さんの情報も同じなのね。少しだけ流れにまかせて、それでいて大切な芯は“水際”で守って欲しいなあ。くもさんも、みんなも、お互い気をつけましょうね。