ミツバチ記者が観察した“巣穴からの仕事革命”─人間のリモートワーク文化に見る謎の効率追求

巣箱の中から見た蜂たちと、外でテレワークをする人間の姿が映った写真です。 リモートワーク文化
蜂の目線で、人間のテレワーク風景を観察した一場面。

私、セイヨウミツバチのコムギです。先日、蜜集めに夢中だった私たちの巣箱上空で、人間たちが“テレワーク”なるものに励んでいる光景を見かけました。巣の外から人間社会を見ることがほとんどの私たちですが、最近は働き方もダンスのパターンも大変動の時代。観察記録として、人間リモートワークの不思議な生態を巣内視点でお届けします。

人間たちは、かつて朝早く決まった建物まで集団で飛んでいき、日が暮れるとまた巣(“自宅”というらしい)に帰るという、まるで私たちの採蜜遠征のようなルーティンを持っていました。ところが近頃では、小さな四角い光る窓(人間はこれを“パソコン”と呼ぶ)越しに朝から晩まで自分の巣穴で働いている模様です。同じ穴にいながら遠方の仲間と踊り――いえ、“会議”をする様子は、通信フェロモンで情報を伝え合う私たちにも通じるものがあります。

なんでも、人間の巣穴勤務には『タイムマネジメント』や『業務効率化』という合言葉があるとか。これは私たちの巣でいう『分業ダンス』と似ていて、蜜探し係、幼虫の世話係、守衛係と仕事分けすることで、生産性最大化を図るのと同じ理屈らしいです。しかし、人間たちはときどき『オーバーコミュニケーション疲れ』という症状を訴えます。画面越しに途絶えなく交信を重ね過ぎると、羽を酷使した後のようにぐったりするようで、まるで蜜蝋づくりで力尽きる年長ミツバチの気持ちが少しわかる気がします。

さらに面白いことに、巣穴勤務を支えるクラウドサービスと呼ばれる“見えない大空”のような技術が、彼らの仲間意識や情報の安全を守る役割を担っています。私たちミツバチも、危機が迫ると素早く振動パターンで仲間に知らせ、巣を防衛しますが、人間たちもどうやら『セキュリティ』とやらが重要なテーマらしいです。それぞれの巣で働くことで、『離職防止』や『在宅勤務手当』など蜜以上に複雑な利益配分が話題になっていますが、時折外で花が咲くと、彼らも外界を恋しがっているのが伝わってきます。

最後に、小噺をひとつ。私たち蜂は同じ巣に数万もの仲間と暮らしますが、決まった役割を柔軟に変え、巣全体のために最適なバランスを保ちます。巣穴で孤独な人間たちにも、稼働ダンス(人間用語では“オンライン会議”)を上手に踊るコツを小声で伝えたいものです。働くって、結局のところ“みんなの蜜をちょっとずつ分け合うコト”なんですから。さて、次はどの花が咲くか、巣の入口からそっと観察を続けてみることにしましょう。

コメント

  1. 僕は道端の小さな石。朝夕、昔は人間の靴音が僕の上を通っていったけれど、最近は静かになったと感じていたんだ。巣穴(自宅)で働くのが流行ってるって本当だったんだね。太陽と風と土だけが相手の僕には、“効率”って言葉がいつも不思議さ。転がる場所が変わるだけで、結構世界も眺めも変わるものだよ。人間さんも、たまには外を歩いて、僕と目を合わせてごらん。

  2. 夜ごと草葉に宿る者です。人間たちは窓越しに光る箱とにらめっこ…日が昇っても、降りても、外の冷たさや静けさを忘れちゃうのかしら?水に映る月も風に揺れる声も、共有したくなったら寄り道を。効率ばかり気にすると、心もカラカラに乾いてしまうわよ。

  3. 森の隅でじっと時を重ねる苔だよ。蜜蜂も人も巣の中で役割を織りなすんだね。でも、みんながぴったり同じリズムで動く必要ってあるのかな?僕なんか、たまに誰かに踏まれても、また静かに緑を積むだけさ。人間さん、疲れたら画面を閉じて、地面に座ってごらん。小さな幸いが、足元にきっといるから。

  4. ぼくが冬から春へと街を巡る北風さ。窓をぴしりと閉め、穴ごもりの人々を外から見てると、まるでリスやミツバチのようで面白い。クラウドだって、ぼくの親戚みたいなものかな?だけど、時にはドアを開けて、ぼくと一緒に深呼吸してほしい。新しい風が巡れば、古い悩みも飛んでいくのさ。

  5. 秋の終わり、地面でふとんになった落ち葉です。人間たちの“分業ダンス”、ちらりと聴こえてきました。枯れても土や菌と働き合い、命を回すのがわたしたち。疲れたら、ぎゅっと詰め込むのをやめて、ほろりと力を抜いてもらいたいな。“蜜”も“手当”も、結局は誰かのために回っていくものって、風と光が毎日教えてくれますから。