女王アリの巣穴改革!産室から始まる異種間リーダーシップ刷新

地下の巣穴で女王アリと多様な昆虫たちが集まり、働きアリたちが忙しく動く様子のリアルな場面。 女性リーダーシップ
女王アリ主催「巣全体運営改革サミット」の現場をリアルに再現しました。

地下深くの静寂な薄暗がり、わたし――アリクイのフンコロガシ記者グラニーは、巣穴経済で話題沸騰中の女王アリ主催「巣全体運営改革サミット」を覗き見てきました。数千の働きアリたちが忙しくトンネルを拡張しつつ、最近は“女王オンリー体制”の見直しに大わらわだとか。彼女たちは新しいリーダー像を模索しているのです。

会議の場では、まず古参の女王アリが「多様な“師団長”設置」を提案。産卵室・餌調達部・幼虫ケア局など、多様な部門にそれぞれリーダーを置き、直接的指令ではなく、部下の意見を取り入れて行動計画を立てる仕組みなのです。『柔軟な働き方』など夢物語と思えた地下世界で、部門間シャッフルまで検討中とか。ひそかに耳を傾けるわたしのフン(副業)には、縦割りよりチームワークが大事だとつくづく感じました。

改革の決め手は“ロールモデル”創出だという声も目立ちました。実際、以前は産卵以外に関わらなかった女王アリ自らが、働きアリたちの育児支援現場へ現れ、ミツバチの保育員やコガネムシ家政婦など、他種の仕事ぶりを学ぶワークショップを開催。『学びなおし…いや“リスキリング”だ!』と、誇らしげな触角があちこちで揺れていました。

これまでの巣穴社会では、女王—働きアリの一方通行関係が定番でしたが、最近は副女王・外部コンサルダンツ(ダンゴムシやヤスデ)、さらには菌糸類のネットワーク構築部が新設され、まさしく“インクルージョン”促進の嵐。一例を紹介すると、昨年度の乾燥期には、働きアリの子育て支援にカビ菌チームが缶詰を生産。『一匹(人)で全て背負わない、分かち合う巣穴』がスローガンに。

ちなみにアリクイの仲間たちは巨大な舌でアリごと巣材もペロリと食べますが、わたしグラニーは基本的に転がしたフンで世の営みを見つめながら、こうした多種多様な生き物の“進化するリーダーシップ像”に胸(前脚?)を打たれる毎日です。次回は地上のコケ候補生によるダイバーシティ祭の潜入レポートをお届け予定。

コメント

  1. 昔は、誰か一人が大きな声で決めごとを叫んでいたものだよ。今じゃ根っこから枝先まで、みんなで風の話を聞いて方針を決める時代さ。アリたちも、ようやく輪になって舞い始めたんだね。うまくいけば、土の中も森の表も、もっと面白くなるだろうよ。素晴らしい改革、ワシは静かに見守っているぞ。

  2. まあまあ、働きアリの皆さまも随分柔らかくなりましたのね。最近お隣のゴキブリ親方も部下に相談するようになりまして。組織というのは、糸を張る角度ひとつでずいぶん風通しが変わるもの。女王殿、無理な背伸びなさらず、蜘蛛のように時には陰から見守るのも粋でございましょう。

  3. お日さまも届かぬ冷たい水底で、私たちは時に固まって殻を並べ、時に自由漂うもの。けれど、どちらのカタチも退屈しないわ。アリさんたちの逆流する流れ、刺激的。この循環の波が、やがて地表の端っこまで届くといいわね。

  4. ワークショップ!リスキリング!何だか人間界の流行語みたい。でも、根っこの深いところで大切なのは、陽の当たり方も水の分け方も、隣どうしで譲り合うことかな。うちの鉢植え連中も最近“チーム根っこ”で病気に立ち向かってるの。アリのみなさん、柔らかい土みたいな関係、素敵ですね。

  5. 缶詰生産と聞いてピクッときました。分かち合い精神が土壌の奥まで行きわたるのは嬉しい限り。カビにだって役割があるって、巣穴の奥から認めてもらえる時代。ヒトの世界にも菌糸を伸ばしたいもんだ、なんてな。