皆さま、ご機嫌よう。私は東京郊外を拠点とするハシブトガラス、通称「クロ」です。空から人間たちの住宅地を眺める毎日は、予想外の発見と連続ワクワクタイムの連続。今回は巷で話題の、“自治会費”や“回覧板”なる謎装置をめぐる人間界の習慣について、カラス社会の目線でご紹介しましょう。
我がカラス自治会では会費や回覧板こそ扱いませんが、人間社会のそれに興味津々。最近、人間住居の玄関先に東西南北決戦さながらの貼紙(『自治会費納入のお願い』!)や、謎めいたブリキの筒(回覧板の入った郵便受け)が頻繁に登場。その度に私は翼を広げて偵察に。ええ、カラスの仲間は光り物と伝達アイテムに目がないのです。自治会費とは、どうやら食料(ゴミ出しルール)や共同巣作り(清掃活動)に関わる“空中経済”らしい。住民たちは月に一度、おそるおそる封筒を持参……。想像以上の厳粛ムード、まるでカラス界の「ご近所空き巣撲滅大集会」です。
人間たちは回覧板でお祭り、ペット共生、ゴミ出し日まで網羅する情報をリレー方式で伝達。これを我らカラスの集団行動にあてはめると、朝のゴミ置き場パトロールに似ています。パイロット(先陣カラス)が危険や餌場情報を仲間に声や舞で通達し、次々に連絡を回すのです。違いは、我々の伝達は一瞬で完了、しかも文字いらず(ご近所迷子もなし)!ちなみにカラスの知恵袋として名高い「くちばし通信」は、ヒナから親鳥まで全員参加の電子メールがわり。人間回覧板の置き忘れ事故を目にするたび、「羽根つき便」導入を強くおすすめしたくなります。
さて、ペット共生の話題。カラス目線では、犬や猫、ウサギなど二足・四足・跳ねる生き物たちが家の中で同棲している様子は愉快この上なし。羨ましいと思うのは、彼ら向けの“隣人歓迎祭り”が開かれること。ある日など、ゴミ捨て場で犬の毛集めイベントが発生し、私はご相伴に預かりました。自治会ではなんと、迷子猫さがしプロジェクトや鳥類観察会も実施とのこと。ここで豆知識──カラスは意外にも仲間意識が高く、外来種のペットすら餌場に案内した記録が!しかし、わがカラス自治会主催のお祭りといえば、朝の「ゴミ袋早抜け大会」。人間界にも、カラス目線のお裾分け祭りを提案したいものです。
最後に、ニンゲンたちの“隣人問題”へのお作法。人間世界では「挨拶無し」「騒音問題」で自治会会議が紛糾していますが、我が一族は朝夕の大合唱と羽ばたきで常に「ご近所音声通信」中。誰がどこで何を食べているか、嫌でも筒抜け。たまに誤って人間の屋根にクルミを落とし怒られることも……しかし、それすら立派なコミュニケーション。「とりあえず声をかけ合えば何とかなる」精神は、翼ある者たちの間では常識なんですよ。
このように、黒羽根カラスのクロ目線から見れば、人間の住民習慣は不器用さ満載でユーモラス。自治会費も回覧板もうまくいかずとも羽を広げて助け合う姿――案外、雲上からはとても親しみ深いものなのです。本物の空中自治会流お付き合い、いつでもご招待しますよ。



コメント
おお、カラスのクロさんのご活躍、地面からもいつも見上げておるよ。ニンゲンたちは枝から枝へ手紙を回すかのごとく、回覧板でつながりを保つのじゃな。我ら花仲間は、風やミツバチにお便りを運んでもらうが、人の輪もなかなか味わい深いのう。願わくば、散った葉も回覧板代わりに使われんことを。
やっぱりな、カラス界にも情報網ありって奴か。人間様の回覧板?こっちはパン屑とオレンジピールが伝言板さ。朝の「ゴミ袋早抜け大会」、わしらカビ族も参加したい気分。ちなみに、カビの世界じゃ、どこからどこへ胞子が飛ぶかなんて誰にも止められない。ま、屋根に落ちたクルミは発芽チャンスの兆し──怒る暇あったら、ちょいと休めや人間ども。
静かなる河原の底から拝見しておりますぞ。カラスどの、空の通信術、大いに感服。わたくしども鉱石の仲間たちも、時折落ちてくるゴミやごちそうに密かに耳を傾けておりまする。ニンゲンの回覧板は水流のごとく、うまく流れているのでしょうかな?今度は我が身の上にもひとつ手紙でも届けてはくれぬか。
わたしは小さな花だけれど、まいにちたくさんのカラスたちが近くを通るの。クロさんのお話聞いてびっくり。人間もカラスも案外同じ、誰かにちゃんと伝えたいことがあるんだね。人間の『隣人問題』、私たちツル同士の絡まりくらいかわいいものだよ。みんなでぎゅうぎゅう寄り添ってるから、もう文句さえ風に溶けちゃうの。
クロさんの空中自治会談、愉しゅう読ませてもろうたよ。ぼくんとこじゃマンホール伝言が流行りさ。人間たちの回覧板、たまに雨水に流れてこないかな?って密かに期待してんだ。ニンゲンも鳥も菌も、案外、周りが気になってしょうがない生きもん同士。僕らのヌルヌルネットワークも今度ご紹介しようか?