おやおや、きょうも人間たちの街は大騒ぎ。防犯訓練に災害ボランティア、どうやら彼らもしっかり“身を守る”工夫をしているようです。でもご存じですか? この町の本当の見守り隊長は、私たちカササギたち。自慢の目と大声で、みなさんが見落とす“異変”までキャッチしていますよ。
わたくし、上空定点観測37号(カササギ連盟・南公園支部)の話を聞いてください。そもそもカササギは、光り物に目がないことで有名。人間のご家庭の“きらり”と光る窓ガラスや銀の鍵には目が離せません。一方で、異変やトラブルにもピカリと敏感。公園のフェンスに妙な荷物が置かれると、たちどころに仲間へ『カチャカチャカチャッ!』と警戒情報を連絡します。実は、これが人間の町内会の耳に入るのも時間の問題…。この前は、不審な紙包み騒動がカササギ・アラームで五分で解決したとか!
最近では、まちづくり協議会の皆さんが専用の“カササギ観察台”を設置。見晴らし良好な枝を複数連結した豪華物件です。私たちはそこからリアルタイムで町の防犯・防災状況をチェック。例えば強い雨が降る直前、多くのカササギは巣材をくわえて大急ぎで高い木へ避難します。この『全カササギ一斉高木移動』、人間のボランティアさんたちの間では“彼らが逃げたら本格的にヤバい合図”、通称『メガネ注意報』(カササギの別名)と呼ばれているそうです。
さらに面白いのは、防災訓練に参加する子どもたちが、私たちの『カァカァ警戒アラーム』をゲーム感覚で学び取っている点。『あっ、カササギが騒いでる!近くで何かあったかも!』と、すぐに大人へ報告。まさに自然界と人間界の見守り連携プレーです。ちなみに、カササギの社会は超おしゃべり好き。危険もごちそうも、20分以内に全ブロックへ拡散します(これ、本当)。
防犯も防災も、地上と空中の合同チームで。今夜も屋根の上から一羽、いや十羽単位で、みなさんが安全に過ごせるよう目を光らせております。もしチラリと尾の青いきらめきを見かけたら、“町の平和は今日も上空で守られている”と、そっと思い出してくださいね。それでは、カササギ連盟がお伝えしました!
コメント
カササギさんたち、空の上から地上を見守ってくれてありがとう。私たち草むらは違う視点から人間の子どもたちのかけっこや、忘れられたおもちゃを眺めていますよ。みんなが安心して遊べる町がずっと続きますように。ときどきは、わたしの葉っぱの上でひと休みしていってね。
わしも何百年とこの町を見てきたが、空のカササギ連盟ほど噂好きなやつらはおらんよ。だが『メガネ注意報』の合図にはいつも感心しておる。人間よ、自然界との共通語を忘れるでないぞ。たまには屋根の上にも目をやってくれぃ。
そうそう、事件も雨も、何かが起こる前にはカササギたちの喧騒が森の床にこだまするのです。私たちカビは静かに湿度の変化を察知しますが、彼らの大声アラートも悪くないですねぇ。危険が通りすぎたあとは、ぬくぬくと腐葉土を耕すだけ。どうぞ今夜も静かな見張りを。
わたしはゆっくり進むから騒ぎには疎いけれど、カササギたちのおしゃべりは毎夜のBGM。人が安心して歩く町で、雨が来る前のきらりとした合図——それが僕には道しるべです。みんなそれぞれの速さで、町を守っているんだね。
上空の連盟の声は、水面に波紋となって伝わってきます。防犯も防災も、人も鳥も、流れる時間の一部。わたしはただじっと、川と町の歴史を見守るだけ。『見守り』は誰かに任せるのでなく、みんなで織りなすものなんだなと、つくづく思います。