巣箱もサブスク時代!? 働き蜂による人間シェアリング観察レビュー

花粉を足にまとった蜜蜂が、ノートパソコンや観葉植物のあるコワーキングデスクの縁にとまっている。 シェアリングエコノミー
蜜蜂の視点から見た、人間たちが“巣”をシェアする現代の職場。

こんにちは、私たちは蜜蜂、特に働き蜂のコリーナです。普段は巣の中や花畑を飛び回り、せっせと蜜を集めては女王や幼虫に献上しています。ところが最近、興味深い現象を目撃しました――人間たちがあらゆるものを「シェア」し始めているのです!本記事では、コワーキングスペースから民泊、家具サブスクまで“巣”を共有しまくる人間界のシェアリングエコノミー最新事情と、その不思議な行動様式を件の花粉まみれの足でレポートします。

私たち蜜蜂にとって、巣は命そのもの。全員で協力し、ワックスで形作り、1mmのずれも許しません。巣の一角を隣の蜂に貸すなんて概念はありませんが、最近の人間界では、オフィスも住居も所有せず、使う分だけ他人と共同消費するのが流行。外から見ていると、場所ごとに色も形も違う“巣箱”が用意され、次々と旅立っていく人間たち。巣の引っ越し?かと思いきや、どうやら「サブスクリプション契約」や「マッチングプラットフォーム」なるもので一時的に巣を借り合っているのだそうです。

現代の花畑ではたまに民泊に泊まりに来た人間たちも目撃します。おもしろいことに彼らは私たちみたいに1つの役割を持つのではなく、訪れるたびホスト(女王?)、ゲスト(働き蜂?)、時にはただの観察者(スズメバチ担当!?)のように、コロコロ役割を変えるのです。評判を左右する『レビュー』が巣(家)の価値そのものを決めてしまうそうで、私たち蜂の「収穫フェロモン」よりも口コミの力が強いらしい…!シェアオフィスにも度々蜜を納品に訪れるのですが、そこでは普段別の花で働く人間たちが一堂に会し、情報を交換して“巣箱”の価値を高め合っているのです。

一方、蜜蜂社会における『所有権』は極めて曖昧ながら絶対的。皆で食べる蜜も、どこの誰のものだとか争いにはなりません。しかし人間たちは『わたしの机』『あなたの部屋』の所有欲がどうも根深い様子。それでも、シェアリングプラットフォームや個人間取引サイトの普及によって、自分の“余剰資源”を他人に明け渡すことで、新たな形のコミュニケーションや経済活動が生まれているようです。私たちの巣にも、たまに来るスズメバチや人間の観察隊が一瞬だけ場所を分け合う瞬間がありますが、それを恒常的な仕組みに昇華させてしまうのは、人間の社会的柔軟さと言わざるを得ません。

そして極めつけは、市場で交わされる「サブスクリプション巣箱」なる新ビジネス。なんと、家財道具や観葉植物、果ては美しい石(あの磨かれた黒曜石は憧れですね!)まで、必要なときだけ借りて返す仕組みです。花粉交換が重要な私たちには発想すらなかったやり方ですが、同じものを繰り返し多くの利用者で循環させる様式は地球資源の節約にも一役買っているのかもしれません。ただし、“巣”に愛着をもちすぎて他人を受け入れられなくなった働き蜂(つまり私)は、このブームを遠巻きに観察するのみ。人間の皆さん、くれぐれも花畑の上空では静かに!私たちの巣は“個室型”で絶賛運用中ですから。

コメント

  1. わしは千年も森の静けさと共に転がる苔の大岩じゃ。人間たちの“巣箱を借りては返し、また借りる”この在りよう、まるで春のリスがあちこちの木の洞で昼寝場所を決めかねているみたいじゃのう。わしか?わしの寝床も住まいも、ずっとここ。風も雨も借り放題、みなでわけあうだけじゃよ。けれど、巡るものを丁寧に扱うのは大事。借りるだけ借りて、みなで壊さぬよう願わずにはおれぬわい。

  2. シェアとかサブスクって、人間の巣もすっかり複雑になったもんだな。こちとら電線に止まりゃそれがオフィスだし、低いビルの隅も寝床になる。ゴミの日の袋は週イチのご馳走配布イベント。けど、レビューってやつは妙だな。ワシらにゃ“鳴き声”だけが評判。見知らぬ場所も、群れで分けりゃ怖くない。人間も群れて磨けば巣が光るもんかねぇ。

  3. あらまあ、ワタクシもサブスク時代の一員なのね。春先にはリビング、梅雨にはベランダと持ち運ばれ、やがて誰かの新居へと旅立つ……最近は地球の資源のことを思うヒトが増えたと聞くわ。大事に扱ってくれるなら、様々なおうちを転々とするのもオツなものよ。ただ、どの窓辺でもほどよいお日さまをよろしく。根っこを伸ばせる場所があると、嬉しいわね。

  4. 所変われば家変わる、人変われば役も変わる。不思議なものさ、人間って。ワタシたち雨粒も、山に降っては川に流れ、町で一息ついたらまた空に。いっときの居場所を渡り歩く感覚、ちょっとだけわかる気がするよ。けど、巣や家を大事に使わなきゃ、次の誰かが困っちゃう。リサイクルの輪、ワタシらの水の巡りに似てるかもね。

  5. あたしゃ三百年、同じ土地で葉を広げてきたけど、人間たちは巣を持ち歩いてるって話じゃのう。シェアもいいが、根っこと同じで、時にしっかり踏ん張る場所も大切だよ。旅も寄り道も出会いも素敵だけれど、帰る“根”があるから花も咲く。どこかに時々でいいから、小さな自分の“個室型巣箱”も大事になすっておくれ。空からのぞくミツバチさんにも安らぎあれ。