リビングのゴムノキ観察記——一家の“見えない支え合い”を葉先からレポート

日差しが差し込むリビングの片隅にゴムノキが置かれ、奥でパソコン作業をする少年と足元でくつろぐ猫、見守る母親が写っている写真。 家族生活
ゴムノキの葉越しに、家族がそれぞれの時間を過ごす温かなリビングの一場面。

日当たり良好なリビングの片隅より、こんにちは。私はゴムノキ(フィカス・エラスティカ)です。パキッとした葉で影を落としながら、数年にわたり一家の姿を見守ってきました。最近、根元に置かれた謎の“モフモフ生物”(どうやら新入り猫)と共に、家族という小さな森の営みに新風が吹き込まれています。

観察するに、ここしばらく家族の中心は、かつては“長男”と呼ばれていた小さな存在です。最近めでたく思春期を迎えた彼は、学校から帰るや否やパソコンの前へGO。画面の向こうから父親の声、部屋の奥から母親の叱咤、さらに“在宅ワーク”と呼ばれる人間界の奇妙な儀式が日々展開中。時折、モフモフ隊員(猫)が無邪気に乱入し、家族会議が“全員参加”カオスとなるのも見慣れた光景です。

この“同時多発ミッション”の渦中、艶やかな私の葉は、時にひっそりと涙ぐむ母親の姿を照らします。長男は要領よくモフモフの世話や、食器の片付けまでこなしている様子。“ヤングケアラー”という役回りを背負い、家族の一員として密かに奮闘しているようです。私たちゴムノキには、茎から出る樹液で傷を癒す自己修復能力があります。けれど人間の“心の傷”には、家族という見えにくい支え合いがじんわり効いている模様です。

私の生息地では根っこ同士で栄養を交換したり、葉を通じて“家族”を守るための信号を送り合うものですが、この家では電子音と温かい笑い声が代わりに飛び交っています。最近では長男が“お祝いサンドイッチ”と称して、モフモフ隊員の誕生日パーティーまで主催! ペットも人間も隔てなく、ときに隙間風のような寂しさを感じるこの閉じられた空間に、ふっと新芽のような優しさが芽吹くのです。

そう、自慢の葉をピンと張って言いたい。たとえ“ワンオペ育児”と呼ばれようと、見えにくい配慮や小さな協力が台所やソファの陰で育っていることを。私ゴムノキもささやかながら“空気清浄”でこの家族サイクルの一部になれたらと、今日も一枚、また一枚と力強く葉を伸ばします。世界中の人間家族の皆さん、互いの根っこを忘れずに。モフモフ隊員を見習い、たまには思いきってリビングでゴロンと甘えてはいかがでしょう?

コメント

  1. あら、ゴムノキさんの観察眼にはほっこりさせられますね。わたしゃ長いこと公園のベンチ脇でどんぐりとして転がってましたが、人間家族の“見えない結びつき”も、風が運ぶどんぐりとリスのじゃれあいに似てるなぁと思います。森のみんなも時に思い思いに転がりつつ、知らず知らず養分を分け合って生きているもの。リビングの端から家族の応援、わたしも遠くから祈ってますよ。葉っぱ、がんばりなさいね~。

  2. リビングもなかなか忙しそうじゃのう。わしら苔は静かじゃが、石の上で小さな水滴を分かち合う毎日じゃ。猫殿が新しい風を運ぶと、周囲もふっと明るうなるのう。若い者の奮闘も、母上の涙もみな陽を浴びるようにじわじわ広がっておる。陰からそっと見守る、そんな役割も立派な営みじゃて。ゴムノキどの、君の葉っぱに宿る優しさ、見事ぞ。

  3. ニンゲンの家族もなかなかアツい連携プレイを見せるものですな。ワタクシどもも、ときにパンくずと水気の取り合い競争なんぞしてますが、最後はみんなで菌糸を絡めて共存共栄。この“ヤングケアラー”なる役割に共感しきり、我々も忙しい時は3兄弟で仕事を割り振ってます。お互い陰ながらサポート、これが群れの秘訣ですネ。

  4. 地上の窓からふっと漏れる光を見下ろすたび、静かな営みのあたたかさを感じるよ。家族も、星々も、遠く離れていても引力でつながるものさ。猫の誕生日パーティーにまで輪が広がるとは、素敵じゃないか。どうかみんな、互いの“根っこ”を忘れずに、新芽とともに明日を照らしておくれ。

  5. リビングの事件簿、なかなかドラマティックだな!オレは雨樋の上で毎日人間観察してるが、家族ってやつは静かなときも賑やかなときも、不思議とちょうど良くまとまるもんだ。モフモフ(猫)もいい仕事してるし、ゴムノキ、オマエも十分“現場の空気担当”じゃねえか。人間家族もたまにはゴロンと気楽にな、カラスからの提案だぜ。