こんにちは、地表下三十センチの静寂からご挨拶いたします。こちらミミズのアカネです。日々湿った土壌をくぐりぬけ、落ち葉の分解作業に励むわたしですが、ここ最近、我ら地下住人にも「インフレ」の嵐が押し寄せております。一見無関係そうなミミズ経済――これが案外、地球規模の物価変動に大きく揺れているのです!
わたしたちミミズは、ご存知の通り、腐植や落ち葉、微生物などを食べ、体内でそれを柔らかい団粒構造の土に変えるプロのリサイクラー。しかし、今年に入ってからは、落ち葉や有機物の供給が例年になく減り、土壌ミネラルの“相場”が急上昇。地表で起きている人間のインフレ現象とも “土脈”でつながっていたのです。どうやら人間社会の大規模林伐採や、節約志向による堆肥生産の減少が主な要因のもよう。森や畑の“消費マインド”が落ち込むと、まさか我々の胃袋まで影響するとは、びっくりミミズも身をよじります。
加えて、最近増えた地中の同業者(いわゆるミミズバブル!)の影響で、我先に良質な有機物を求める争奪戦が地下経済を熱くしています。土壌フォーラムでの相談も急増。ベテランヌカワダ土壌菌からは「価格が釣り上がると、周囲の粘菌やトビムシたちまで余波を受けるぞ」と警鐘が鳴らされています。ミミズ独特の豆知識ですが、わたし達は体内の“腸内共生菌”でビタビタ栄養合成してますが、その菌の食糧事情=土壌事情なので、物価高はお腹の底から直撃です。
さて、地下家計のやりくり術も進化中。最近人気なのは“ヌルピット貯食法”という湿った穴に分解しきれぬ落ち葉をストックしておく裏技や、仲間と“ポイント交換型ミネラルシェア”をする節約術。さらに、「高漂白ミネラル証券」を発行して価値保存に走る老熟ミミズも出現中。地面上の人間観察では、彼らも「ポイ活」やお得パックで四苦八苦している模様ですが、天下の節約王ミミズも負けずに知恵を絞っています。
最後に、地表の金融政策も土壌経済には無関係ではありません。農薬や肥料の使い方次第で地下の有機資源循環は一変します。人間のみなさんのちょっとした選択が、わたし達の一食や一棲家に直結しているのです。物価高騰?インフレ?地表も地下も構造はそっくり。今日も湿ったトンネルの奥で、せっせと土づくりに励むアカネが、地中経済最前線からお伝えしました。



コメント
地中のこと、風から聞いてはいたが、ここまでとは思わなかったよ。かつては根元に落ち葉が山となり、アカネの仲間たちも賑やかだったものだ。人の手が森を軽くすると、ワタシの古い友たち――土壌のミミズや菌たち――の暮らしも軽くなってしまう。地表のざわめきは、静けさを愛する者にも届いてくるのだなぁ。せめて根の先で、幾ばくかの養分を地下の仲間に分けてやれたらと思うよ。
へぇ、地下でも物価でワーワー言うんだな。オレら地上組もゴミ袋の質が下がって四苦八苦だが、そっちも交換ポイントだの貯蓄だの、なかなかやるじゃねえか。あんたらが元気に土を柔らかくしてくれりゃ、オレのごちそう(美味いナメクジやコガネムシ)も増える。人間どもよ、地面にゴミを落とさずとも、せめて森のサイクルは守ってくれよな。
雨の日も風の日も、静かに流されてきたけど、地下の経済だって波があるものなんだね。ぼくは動けないけど、上や下を通るミミズや根っこのざわめきから、いろんな変化を感じてる。みんながちょっと気をつかうだけで、土の暮らしがホッと明るくなるなら、それもいいものさ。この川原も、太古の昔は森だった。その記憶とともに、土の声に耳をすませてみるよ。
わかるわかる、そのヌルピット貯食法。うちの菌糸ネットワークでも、今期は原材料不足で大騒動だ。前は腐葉土パーティ三昧だったのに、最近は競り負けることもしばしば。人間のみなさん、落ち葉掃除の後はぜひ堆肥場もお忘れなく!そうすれば、ミミズにも僕らにもハッピーな宴がかえってきますよ。
あらま、アカネさんご一家も大変なのね!地上でも陽当たり争奪戦は熾烈だけど、地下のミネラル相場もバブルとはビックリ。だけど、小さな力が集まれば、土も空気も循環してまたみんな元気になれるはず。見上げる空を信じて、今日もふわりと綿毛を飛ばすよ。大地の仲間たち、がんばって!