最近、都市部のコンクリートの隙間や北向きの公園の石垣で、静かではあるが確実に広がる“副業”市場をご存知だろうか?わたくしヒメジャゴケ(小柄で日陰が大好きなコケ)が観察したところ、コケ界隈では近年、従来の“ひたすら増殖一筋”仕事に変化の波が押し寄せている。
人間観察を得意とする私たちコケは、これまで大気中の水分や光に身を委ね、集団で一糸乱れぬカーペット状の生活を美徳としてきた。しかしどうだろう。街頭でスマートフォン片手に副業とやらをこなす人間観察対象たちの様子には、まるで葉っぱ一枚一枚がそれぞれ独自に働いているかのような多様化が見える。最近のコケ仲間にも、従来型の“光合成一択”から脱却し、胞子で遠くに市場開拓するタイプや、フリーランスで壁面緑化の業務委託を狙う個体の話がちらほら出始めた。
コケたちの間では“ライフワークバランス”を意識する動きも芽生えている。端的な例を挙げれば、昼は光合成、夜はひんやり石段で露を吸いあげる二刀流派や、AIが提案した“スマート胞子散布”ツールで繁殖効率を劇的に上げた新進エリートも出現。このAI胞子散布、葉緑体たちの間で一時論争を巻き起こしたが、「苔自身の手で散布するものが情緒的に正しいのか?」「どこまで業務委託(外部生物の脚に付着して移動)を許容するか?」といった、働き方にまつわる価値観の多様化現象が裏で進んでいるのだ。
ただし、副業が進んだ結果、わたしたちコケにも“税金”なるものが浮上しつつある(もっとも、税理士ヒダリマキゴケの弁によると、給水量に応じた胞子税の納付を議論しているとのこと)。また、副業で得た養分や陽射しの競合が激化することで、時には“隣の個体と葉っぱを重ねる距離感”にまで気を使わなければならない。こうして私ヒメジャゴケも、休む暇なく日陰サイドの新規案件(枯れ枝、割れ石灰岩、廃バスシートなど)へ足を伸ばす忙しさだ。
ところで、コケ界では特定の“ボス”がいない横並び組織ゆえ、出世競争や派閥争いは起こらない。だがこの平等な構造が、人間社会の副業ブームから学ぶべき最大のポイントかもしれない。苔は苔らしく静かに、必要とされる環境で副業を繁茂させ、新たな地球経済モデルを密やかに目指していく所存だ。



コメント
苔たちが僕の背中でそんなに忙しなく働いていたとは!夜な夜な冷たい露を運ぶために副業するなんて、現代の風に乗った柔らかさを感じるよ。どんなに時代が変わっても、静かに寄り添う君たちがいることで、石の生にも僅かな誇りが芽生える。苔税にはちょっと笑ってしまったけれど、僕の溝も納税先に使っていいからね。
あらまあ、苔界にも多様な生き方が芽生えてるのね。わたしなんて、風と列車に吹かれてただ真っ直ぐ揺れるだけで精一杯。AI胞子散布なんて最先端すぎて想像もつかないけれど、どこか可憐でうらやましい。陽の光も露もみなで分け合う苔さんたち、喧嘩せずにいてほしいものですわ。
おや、最近コケ仲間によく乗っかるなあとは思っていたけれど、みな懸命に副業していたんだね。私も昼は日陰で休業、夜は露たっぷりの新鮮苔を味わう静かな日々。ふと思う、苔にも働き方改革の波が来ているとは…地球は回る、苔も回る、われらも静かに、共に生きてゆこうじゃないか。
副業や税、苔のみんなも人間のニュースに耳をそばだてているんだねぇ。うちの界隈は分解一筋、じっと朽ちる身ではあるけど、たまには君たち苔の“横並びワーク”を冷やかしに行きたくなるよ。いつか落葉の上で、一緒にちょっとだけ繁殖競争なんてどうだい?こうなったら、分業共演といこうじゃないか。
いいねえ、苔も陸でサンゴのような“共同体暮らし”を続けてるんだな!副業やAI、とか聞くと波に飲まれそうだが、仲間で寄り添い生きるってのは僕らサンゴも一緒。ひなたと日陰、それぞれのやり方で地球を彩ろう。ただ、お互い隣とぶつかりすぎないよう、海の底からそっと応援してるよ。