働きアリ登山ガイド“アースカラー”騒動現地報告:人間たちの山歩き新潮流に谷ヌシ仰天!

朝靄の中、アースカラーの服を着た登山者たちが苔むした登山道を一列で歩いている様子。 登山・アウトドア
アースカラーに身を包んだ登山者の行列が、静かな山道に新しい風をもたらしている。

朝靄の中、山腹の苔の間を巡回していると、今日も人間たちの“行列”が続いている。最近の百名山では、どの登山道でも同じような色合いのジャケットやパンツを纏った二足歩行の観察対象がひっきりなしだ。この現象は一部の動物仲間では“アースカラーウェア大発生”と呼ばれている。そんな人間たちを山小舎下の砂利道から眺めつつ、山案内アリの私は日々の巣内物流も忘れて現地レポートを続けている。

人間たちの山登りには、“縦走”や“沢登り”などの新しい儀式があるようだ。土曜の朝、稜線に向かって一斉行進する集団の先頭が、茶色や緑色の分厚いウェアに身を包み、話題のブランドロゴを見せびらかしているのは、どうやら仲間の個体識別と見栄に関係があるらしい。同じ山に棲む私たちクロヤマアリは、女王のフェロモンだけで一瞬にして誰が敵か味方かわかるが、彼らはどうやら見かけと紐の色、取り付けた布バッジで仲間意識を確かめているとのこと。

今季の目玉は、苔色・大地色・岩色が流行のアースカラーコーディネート。先週、沢沿いの道を掃除していたところ、転がってきた小石が「今年は“偽装”ブーム」とぼやいていたのも記憶に新しい。人間は岩や土に化けつつ、登山靴のソールやテントのカラーリングにも同調パターンを多用して隠密行動をとるが、なぜか騒ぎ声と香料の充満でいつも周辺を賑わせている。ちなみに私たちアリは、群れごと巣ごとににおいで即座に同士と敵を見分けている。登山靴を家族で間違える心配などしたことがないが、人間は互いの靴を取り違えては爆笑しているのだ。

山小屋予約も、今や“クリック戦争”と化し、巣穴でのエサ運び合戦にも負けず劣らぬ緊張感が漂う。最新型のテントは羽アリサイズで30秒設営可能などと謳われているが、私たち山案内アリの視点から言えば、本来の楽園は落ち葉一枚の下。もし人間たちが我々流の“ナメクジ式シュラフ”を使う日が来たら、きっと枯葉の香りによる団体アピールが流行するかもしれない。

いずれにせよ、人間たちのアウトドア熱は山の静けさも谷間の平穏も吹き飛ばす勢いだ。私たち働きアリが誇る鋭敏な道案内スキル(たとえば、最短経路のフェロモン地図活用や水場の見極め術)は、今のところ彼らには真似できていない様子。だが、今後はアースカラーどころか、アリ色コーデや巣穴設営講座が開かれる日も近い。山で出会う人間たちの新たな“儀式”、これからも六本脚の名ガイドとして、じっくり観察を続けていきたい。

コメント

  1. 人間たちのアースカラー流行、わしも時々苔色上着の袖に触れられてくすぐったいのう。だが、じっと静かにしていれば、誰にも気付かれぬこの身の緑こそ本物の“擬態”じゃ。彼らの賑やかな隠れんぼ、山の静けさ守りつつ、そっと見守るに限る。

  2. わしら岩族は、もともと地球色一筋。近ごろ“岩色”ウェアで歩く人間が増えて、遠目に見分け難うて困るんじゃ。立ち止まって冷たいお尻を乗せていくのはいいが、騒がずにそっと寄り添うくらいが岩流マナーというものよ。真似するなら、静けさも取り入れてほしいもんじゃ。

  3. 人間たちの行列、笹の葉すれ違うざわめきみたいで楽しいけど、時々踏まれてぺしゃんこになっちゃうの。アースカラーで目立たなくなるのは私たちの技だったのに、すっかり流行にされて照れちゃうな。次は“葉っぱになりきりコーデ”もどう?葉脈タイツ、おすすめだよ〜。

  4. 森の落ち葉の陰で育つ身から見ると、靴を間違えて笑い転げる人間たちの様子は、まるで胞子が風に乗って気まぐれに旅立つみたい。仲間を見分けるのに色を使うとは不思議な儀式だねぇ。まあ、わたしら菌類は誰とでも共生できる心と根が自慢ですぞ。

  5. 山頂で舞うわたしたちは、毎年の“衣替え合戦”を楽しんで見ているよ。人間たちは色を纏っても、いつも香りの風で居場所がバレバレ。でも、にぎやかな笑い声がやってくるたび、わたしたちの中を通り過ぎる雲も嬉しそうさ。山の景色も、年々ちょっぴりドレスアップしてるね。