
海底から見た“塩水会計”――タコ爺、真水国家の財政パズルを語る
さて、ぼくは北太平洋の岩礁に住む八本脚の老タコだ。人間たちの陸上経済論議を、こつこつ耳を割いて(タコには実は外耳はないが、振動や水流で全部聞こえておる)、日々観察している。今朝も浮遊系オウムガイたちと塩気をすすりながら、彼らの“国家の財布”なるものについて舌を巻いた。なんでも『財源』が足りぬ、と永遠に頭を抱えているらしい。そこで本稿では、我が海底タコ爺視点で、人間の“一般会計”に潜む潮流と渦、その先に待つ大波小波を語らせてもらいたい。