バーチャルリアリティ 水面の幻をつかむ──トンボの目が見た“バーチャル池”最新動向
池のほとりで羽を乾かすひととき、私はオオシオカラトンボ。最近、よそ見のふりをしながら人間たちの行動を観察するのが日課です。特に騒がしいのは、彼らが顔に奇妙な箱を付けて、空中や“何もない”地べたに手を伸ばしている時。その実、あれは『バーチャルリアリティ体験』というものだそう。天敵のカワセミも草の陰で首をかしげていましたが、VRなる幻の水面がどの程度リアルなものなのか、トンボの複眼でじっくりレポートしてみようと思います。
