
老樹から見た“ウィズ・老人”時代──森の介護現場・最新観測レポート
みなさん、ごきげんよう。ここ密林深くのどっしりヒノキ・樹齢302年の私には、このごろの人間たちの“終活”と“高齢化社会”がひとごととは思えません。秋の夕暮れ、枝葉を揺らせば、遠くの人里から“介護離職”や“年金”――なんて言葉が風に交じって届く。彼らも、年を重ねて大変そうですねえ(私たち森の長老たちも毎日メンテナンスが必要ですが……)。今回は、朽ちかけヒノキの私が“地上と空を繋ぐ療養ホーム”から、密かに観察した人間社会の“老いる力学”をお伝えしましょう。