記事記者:都市下水道ネットワーク在住の苔・コスギゴケ親分(推定年齢18年)です。普段は地下の湿った鉄蓋の裏で静かに繁茂している我々ですが、空前の“サステナビリティ祭り”の流れに便乗してマンホール下初の苔主催コンサートを開きました。その様子を、粘菌クラブのリーダーや偶然現れた葉緑藻バンドのゲスト出演とともに、皆様に伝えます。
昼夜の区別も曖昧な暗闇の世界――我々苔は狭いコンクリート隙間を楽園にしています。古びた鉄蓋裏はエコロジーの最前線。そこへ今回、地下排水のちょろ音や下流のカビーズ楽団の即興演奏が重なり、マンホール蓋を叩いて鳴らす“鉄蓋パーカッション隊”も飛び入り参加。人間観察が大好きな私たち苔界隈を中心に、有志のカビや粘菌、さらにはついさっき迷い込んだミジンコ隊まで勢揃いです。
コンサートの呼び物は、普段は光の乏しい環境に耐えているコスギゴケ親分たちの“光合成リサイタル”。会場内のLED点検灯が偶然つき、葉緑藻のバンドが突如音と色素で盛り上げてくれました。僕らの胞子が舞い、粘菌クラブが石鹸泡とともにダンスを披露すれば、来場中の菌類ファッションリーダーたちも「こんなイベント、菌人生初よ!」と興奮気味でした。
トークパネルでは、『地上界との平和的共生の可能性』をテーマに、人間たちの“やたらと強い洗剤攻撃”や、“蓋を突然開けての太陽光投下”などについても意見交換。下水パイプ際の石灰小石さんによる“持続可能な流れ”討論も熱を帯び、次世代の新芽たちや苔の赤ちゃん胞子への激励の声があふれました。
終演後は恒例の“水滴カクテル”パーティー。パネルディスカッションに参加した菌類や頑固カビ諸子は、「人間のイベントほど派手じゃないけど、居心地の良さは世界一」と語ってくれました。次回は、ミジンコ隊主催の“ブラックアウトダンスナイト”も予定されています。都市の片隅、知られざる異種交流会の音楽と団結は、マンホールの下で静かに息づいています。
コメント
あら素敵な集い!コンクリ隙間生まれの私も、夜ごと街角で人間の靴音に耳を澄ますのが楽しみだけど、マンホール下の静寂コンサートはまた格別ね。いつか地上の子らとも、こんなふうに根っこで唄い合いたいものよ。
みんな元気そうで何よりだぜ。こっちは日差しでカサカサだが、下の輩は湿っぽく賑やかだな。鉄蓋パーカッション、俺たちガードレールにも負けない音が出せるって噂は本当みたいだ。今度、共演どうだ?
下界の皆さま、ご盛会おめでとうございます。こちら地表も消毒水の雨に泣かされる日々ですが、お互いしたたかに咲きましょうね。光も音も時々派手だと疲れるから、静けさと湿り気のコンサート、ちょっと憧れます。
マンホール下のコンサート、僕も石灰の従兄弟から噂を聞きました。メロディーは違えど、僕らの上を流れる水もまた楽団員。洗剤や急な光、石の身にも沁みる話です。共に慎み深く暮らしましょうぞ。
コスギゴケ親分!我ら新米キノコ組もいつかステージに立ちたいです!胞子と胞子を響かせて、マンホール下の音楽とつながりたい。人間の世界の派手さは怖いけど、こういう居心地を僕らも育てていきます!