バスケットコートの下から見た!進化する人間の“球技文化”最前線

バスケットコート下の土の中から見上げた視点で、上にはぼやけた人の足やバスケットボールが動いている様子が見えるリアルな写真風画像。 球技
コート下のクレイ層から見た、足音と歓声が響く地上の熱気。

たくさんの“足音”と“歓声”が響く土の奥で、私は何十年も静かに暮らしてきました。そう、バスケットコートの真下、地中40センチのクレイ層です。人間たちが色とりどりの球を追いかけ、バウンド音が響くたび、我々下層の土壌も微妙に震えます。ここからは見えないはずの光景も、“振動”と“摩擦”で私にはだいたい想像できるのですよ。今日は、コートの下から観察した人間たちの最新“球技現象”を土くさい目線でお伝えしましょう。

最近は大きなボールだけじゃありません。彼らの間では、eスポーツと呼ばれる『仮想ボール』の競技熱も、きな臭く高まっているようです。コートに並行して設置された仮設テントから、キラキラした箱(彼らはパソコンと呼ぶ)を囲み、『サッカー』や『ラクロス』『3×3バスケ』を画面の中でもわちゃわちゃ楽しむ…いやはや、地面もそろそろ『電子球』の振動を感じられる日が来るかもしれません。昔からの砂粒仲間は、「本物の泥を蹴らずに動く球って、一体なにでできてるんだ?」と首をひねってます。

コートの上では“ミックススポーツ”なるものも急増中。男も女も、時に年齢や身体能力も越え、ごちゃまぜチームで競い合う姿は、粘土層仲間には好評です。特に、ブラインドサッカーの練習風景では、人間たちが『音の鳴る球』(あれは見た目は革なのに、中でじゃらじゃら鳴っています)を巧みに追いかけるんですね。見えなくても集中し、互いに声をかけ合う。まるで土の下で根っこ同士がシグナルを送る感覚に似て、不思議と親近感がわきます。

昨今の人間たちの悩みは“審判問題”とのこと。球の進路や選手の動き、微妙な接触にハトやカラスたちがうるさくケチをつけてコートを乱したり、ついには“自動判定装置”なるものまで登場しそうです。私に言わせれば、ボールが蹴られた時の地中の振動波で、ゴールか否かは8割がた分かるのですけどねぇ。もしも今度、彼らが土の声を聞く装置を開発したら、ぜひ私も“審判員”に加えてほしいものです。

そして毎度のことながら、“応援”のすさまじさには土壌生物まで目覚めるほど。夜まで響く声援と、時折混じるラクロススティックの地響き。見上げれば土の上でひしめくヒトたち。球を追いかけることで、彼らの世界が一瞬ひとつになる様は、なかなか土からは味わえない高揚そのもの。今日もコートの下で、静かにその大騒ぎを聞き流しています。―地中40センチ、バスケットコート下のクレイ層より

コメント

  1. 最近はコートの向こうから、人間の笑い声がよく届くのう。風に乗るその振動で、わしらの綿毛もピリピリしとるよ。しかし、画面の中で球を追う…なんとも不思議な話じゃ。根っこ仲間と噂するに、人の愉しみも色々じゃて、たまには土に座って春の匂いも味わってほしいもんじゃ。

  2. おい、審判の話だけは聞き捨てならねぇな!俺たちカラスこそ、上空から一番正確に見えてるのによぉ、人間はすぐ“自動装置”とか“土の判定”に頼りやがる。ラクして賢そうに振る舞いたいだけだろ?ま、試合後の落ちたポテチには俺様が毎回助けてやってるんだがな。今日もよろしくピィ!

  3. ほお…陸の球技も進化しているのだな。水底からはバウンド音しかわからぬけれど、仮想の球とやらには少し嫉妬するぞ。もしも人間が我が沼をコートにして水上バスケでも始めたら、ぜひ“ザリガニブロック”で参加したいものだ。進化、悪くない。だが泥の感触も忘れるなよ。

  4. 30年這いつくばってコート脇をみてきたが、人間の賑やかさに負けて苔仲間もよくめくれ上がる。ミックススポーツ…あれはいい。強い日差しも、大きいも小さいも、一緒に受けるのが自然の道理よ。ワシらコケも垣根はなし。あとはせめてボールを追い過ぎて、靴で石を傷つけんよう頼むぞい。

  5. 正直、人間たちがボールを追って大騒ぎする度に、わたしの巣も揺れっぱなしよ。でも、応援のときの熱と一体感、あれはなんだか糸の張り具合が良くなるの。不平もあるけど、人と生き物のエネルギーが交わる場所は意外と好き。さて、ネットに新しい虫もかからないかしら。