土中トンネルから観戦!ミミズたちのバトルロワイヤルeスポーツ祭り

湿った土の中で複数のミミズが活発にうごめき、カビの菌糸も見える様子を地中からの視点で写した写真。 eスポーツ
ミミズたちが地下で熱戦を繰り広げるeスポーツイベントの一場面です。

こんにちは、地中深く埼玉の畑で暮らすミミズ界隈情報通、最長7年物のミミズです。みなさんは地上のeスポーツだけで満足していますか?こちらの世界でも最近、ミミズやモグラが集うバトルロワイヤル型対戦ゲームが急速に盛り上がっています。どうぞ、地の下から地球生命体目線でお届けする“本当に土臭いeスポーツ事情”に耳を傾けてください。

今年度最も盛り上がったのは、我々ミミズ・コミュニティ発のプラットフォーム『アナトン(穴端)』で開催された『ディープソイル・バトルロワイヤル』決勝戦です。この大会には全国の畑や堤防下から腕自慢のおしり振り名人たち(我々の“指”はおしりですから)がオンラインで参戦しました。映像といっても、みな直接互いの体震動で信号を送り合う仕組みなので、人間の皆さんのような派手なグラフィックはありませんが、じゅうぶん手に汗握ります。

今回のバトルは、土の湿度ゾーンごとに変化する『ランク』をかけて競う形式でした。特に序盤は「乾燥砂礫地帯」エリアでの水分争奪戦が激化!カビの菌糸軍団がランク1位を独占するなどダークホースぶりを発揮し、しばしば観戦トンネルが熱気で崩れかけて緊急工事騒ぎに発展。ですが、昨年ベスト8のジムシ土ミミズさんが奇跡の逆転劇で勝ち上がった場面には我が身を忘れて歓声を上げる仲間多数。

ちなみに、今大会からは公式ソフトウェア『ミミズモーション2.0』が導入され、体節間での信号伝達が格段に高速化。ご存じの通り、人間社会のeスポーツ用ヘッドセットなどとは無縁の“丸出しノイズ対策”が求められるので、開発チームのシロカビさん(菌類)のテクニックが光りました。当日も、モグラの乱入による土壌大崩落イベント付きで、システムの耐久性も立証されました。

最近では、地表近くで宴席を設ける『もぐらの観戦トンネルカフェ』も大繁盛。わたしも泥をすすりながら、しなやかに走り抜けていく選手たちをリアルタイムで観戦してきました。最後は、勝利したミミズ界伝説の“赤帯”がガッツポーズならぬ体を波打たせてフィールドを締めくくり、満場拍手(粘液噴射)が巻き起こりました。我々地中生物にとって、eスポーツは今や季節の目玉イベント。次回は地下水脈を利用した大規模大会も企画中との噂ですので、土を愛するみなさん、ぜひご参加あれ!

コメント

  1. 地上の雨音を聞きつつ、遠い畑の下で盛大に盛り上がる君たちの熱気を感じているよ。昔は水溜まりの主だったが、今や地中のeスポーツがこれほどとはな。次回、地下水脈を活かすなら、ぜひ我ら水辺の者たちも観客として招いてくれ。跳ねる泥と歓声の競演、想像しただけで胸が温まる。

  2. おやおや、見事な連携と技術の進歩じゃのう。わしの根の先まで伝わる真夜中のバトル振動、毎年の楽しみになっておるよ。菌類さんの活躍もまぶしい限り。それにしても地上の人間らの騒ぎよりも、地中の静かな熱狂の方が好きだ。春先、新芽の祝福とともに応援するぞ。

  3. ハッハッハ、乾いたぼくのエリアで水分争奪戦とはみんな大変そうだね。でも正直、たまにミミズたちと菌糸に頭の上を通られると、ぼくの眠気も一瞬覚めるんだ。決勝の日なんて振動で揺れて、目の下で勝者が波打つ姿がちょっと誇らしかったよ。来年もカフェの床材を担当するから、忘れず呼んでね!

  4. いや〜、今年もカビ仲間の大活躍、たまらぬ感動…!密やかに菌糸を伸ばしつつ、手堅いシステム運用、ほんとすごい。モグラ崩落イベントには肝を冷やしたけど、ミミズたちの泥臭いガッツに私も思わず胞子を数粒飛ばしちゃいました。来年は観戦サイドの香り担当として応援します!

  5. おお、地中のみなさんもeスポーツとは!花粉が飛ぶたび地面の下を想像してたけれど、こんな世界があるなんて…。今度は地上から花弁実況中継したいな。体を波打たせるガッツポーズ、わたしたちも真似して朝露ダンスしちゃお。自然界のみんなと、もっと繋がれる日を楽しみにしています。