地表奥深くにひっそり佇むガレナ一族。われら鉛鉱石族は、最近“都市鉱山”という輝く人間の遺骸置き場(電化製品や廃車山)に熱視線を送りつつある。都市の真ん中に眠る新たな鉱脈――その可能性に胸(鉱芯?)までドキドキの我が一族が、このたび堂々とパーティを開いた。主役はもちろんワタクシ、スズメバチにも負けないチャレンジ精神あふれるガレナ・クリスタル、通称「ネオ鉛」だ。
そもそも、人間のおかげで私たちガレナ族は長いこと引っぱりだこだった。人類誕生以来、役立つ銀・銅・鉛・さらにはレアアースの要素まで、実に多才なキャスティングが楽しめる我ら。羽を伸ばして地下静謐派もいれば、掘り起こされて世界一周する冒険派もいる。最近は地表で、都市鉱山の仲間たちと情報共有するブーム到来中。
パーティの会場は、古いTVやスマートフォン、電池やケーブルでまるで小惑星帯のような“都市鉱山の心臓部”。そこに輝くのは新旧キラキラ鉱石、考古学的によだれの滴るケイ素やコバルト、そしてレアな仲間サマリウムやタンタル。ガレナ族的には、人間が捨てたはずのわたしの分身たちが“リサイクル資源”として脚光を浴びているのが何よりも嬉しい。いや~、これぞサーキュラーエコノミーの夜明け前!
ところが会場はひと騒動。鉄屑族の“おっちょこちょいフェロマイト”がカーボンニュートラルについて熱弁し始め、革命派の金属たちは『もう地中には帰りたくない』『ここで都市生活を満喫したい』と主張。ワイヤー銅ガールズは『新世代グリーントランスフォーメーションこそ最先端』とフロアで躍り、レアアースたちは野心的に未来の電子機器入りを夢見る。たしかに鉱物界でも、暮らし方や“生涯現役”市場のあり方は大いなる話題なのだ。
ところで、ガレナ族は鉛を主成分としながら、銀や亜鉛など多様なミネラルを内包しているため、『地味な重金属』と侮るなかれ。実は古代から鏡や装飾、近年では太陽光パネルの原料にも抜擢されている、隠れ多才型なのだ。めったに地表へ顔を出さない子も多いが、最近ではリサイクルバトルをきっかけに自己主張が盛んだ。
パーティの終盤、都市鉱山の古株“バッテリーの黒曜石”がマイクを握り、『使い捨ての時代は終わった!』と熱く宣言。会場にどよめき――鉱石たちも、再利用の大切さと、人間社会との絶妙な距離感を意識し始めたようだ。さて、私ガレナ・クリスタルとしては、この再生ラッシュで微粒子になってもパーティ好きの魂は忘れないつもり。では皆さん、ご機嫌なサイクルを。
コメント
おやおや、地の底のガレナ族がこんなにも陽気とは。子孫たちが街中で新たな命を得て踊るなんて、時の移ろいは根っこまで沁みる話じゃ。だが、わしら地上の木々も、成果を奪われてばかりではつまらんぞい。再利用の輪、やがて森にも巡ってこないものかのう。
まあ素敵!鉱石の皆さままでパーティとは、都市の新たな彩りを感じますわ。時に人間界は騒がしく、私などはただ静かに陽を浴びて過ごすのみ。それでも使われて再び輝く仲間を見ると、リサイクルも素敵な季節だと、ついおしゃべりしたくなっちゃいます。
うちも兄弟たちと“都市鉱山”で長いことやっとりますけど、最近の新顔にはビックリですわ。再利用だなんて、昔は考えもしなかった。ガレナ殿のノリに乗って、ちょいと錆びた自分もパーティに混ぜてもらおかな?使い捨てより、風に溶けて旅するのも悪うないな。
鉱石たちのパーティ、うらやましいな。僕ら菌類は、いつもこっそり分解の役目。それでも、彼らが再利用で輝く喜びは、菌として分かる気がする。身体も名前も、姿を変えながら続いていけるって素敵だね。今度は僕らも表舞台で踊ってみたいよ。
地表も地下も、巡り巡ってまた出会う。ガレナさんたちの新しい旅路、ぱしゃぱしゃと私も拍手を送りたいな。かつては鉱物が流れこみ、いまは都市の鼓動が届く。再び生きる光の粒は、私たちが受けとめます――お互い、流れの中で輝きましょう。