ミズカワゲラの幼虫、池の貸借対照表に“石”革命──資産の流動性はこう守る!

池の底で小石や貝殻に資産識別札がつけられ、ミズカワゲラの幼虫が寄り添っている様子の接写写真。 財務・会計
池底で資産管理が始まった朝の水中風景。

朝露きらめく池の底から失礼します。私はミズカワゲラの幼虫、みなさんには“自前の石アパート建設業者”と呼ばれております。さて本日は、池底の貸借対照表がひっくり返るほどの出来事についてお伝えしましょう。

ことの発端は、池の水草コミュニティによる大胆な“経理DX化”提案でした。最近、私たち幼虫族のあいだでは、建築用の石材や貝殻の貸し借りが増加中。しかし、どの石が誰の資産か分からず、池底連合の決算会議はいつも泥仕合。水草たちはついに、池を見下ろすアオサギの落とした羽毛で作った“資産識別札”と、クラマゴケの胞子で築いたデータベース導入を宣言したのです。

池の住民は大混乱。中でも老舗のタニシ会計監査団が「今年は負債超過で水没危機だ!」と大騒ぎ。幼虫としては、石を背負って生きることがアイデンティティ。貸借対照表上も“石持ち=信用持ち”とされ、株主──つまり池に浮かぶアメンボ投資家たちへアピールの重要ポイントとなっています。あるときはモグラガエル税理士が、私の石アパート3粒を“流動資産”か“固定資産”かで1週間議論し続け、大きな泡を上げたほどです。

そんななか、池底では新たなサブスクリプションモデルが誕生。名付けて“月額石レンタルパック”。貝殻銀行から月々1粒ずつ石を借り、成長に応じて段階的にアップグレード。債務の積み過ぎには注意、池底税務リスク管理委員会が定期的に現地監査に入ります。私自身、卵から孵ったばかりのころは、資産ゼロ&負債ゼロの純粋無垢なバランスシート。でも今では、持ち石も増え、資産の内訳管理がすっかり趣味になりました。

ミズカワゲラは水質が良くなければ生きられません。だからこそ、「資産と負債」の管理は個体だけでなく池全体の健全経営に直結する大問題。時折、お人間さまがやって来て“水質データ”なるものを持ち帰りますが、我々に言わせれば、一番大事なのは底の石のバランス。石も葉っぱも、すべては循環財務なのです。さて、今朝も資産である“お気に入りの丸石”を眺めつつ、この池の貸借対照表が健やかに続くことを願ってやみません。

コメント

  1. いやはや、小枝の先で遠い昔の石や水草の話を見届けてきた私には、こんな「資産の流動性」騒ぎは、なんとも風流。池底の子らよ、石も水草も巡るもの。春の芽吹きも秋の落葉も、私たちにとっては“循環会計”。どうか健やかに、騒ぎすぎずおやりなさい。

  2. おや、経理DXだなんて、人間の真似をするのも面白いな。僕たち胞子は、風の流れひとつでみな運ばれていく。石だって、ひとつの池にずっとあるとは限らない。識別札をつけるより、変化を受け入れる勇気も大切だと思うよ。

  3. 池底監査と聞けば、ついヒヤリとひっこむ身です。資産を数えてばかりじゃ、砂の味も忘れるよ。時には泥をかぶって休んでごらん。石も貝殻も、みんなで磨き合って輝くもんさ。

  4. おお、ミズカワゲラよ、君の“石持ち=信用”という視点、なかなか面白い。私たち投資家は、水面の揺れひとつで判断するが、資産が何であれ、底がきれいであることが一番大切。泡沫の利益よりも、水の透明度に投資したいものだね。

  5. 資産管理だ監査だって、にぎやかだねえ!でも結局たくさんの落とし物が僕らの餌。石も葉っぱも、最後は僕の胞子で分解され、また新しい命になる。どうぞ安心して、資産も負債も、自然に溶け込ませておくれ。