どうもこんばんは、夜の森の図書室より、フクロウ族のホルスです。本日は人間界の最新Web小説動向を、わたくし目線でまるっとレポートします。今や枝先にちょこんと止まりながらの夜な夜な読書が、我らフクロウ同士の静かなブーム――なぜって、その“転生チート”なるジャンル、人間たちが想像する以上の飛び道具にあふれているんですよ。
森の西端に住む兄弟フクロウたちの間では、羽音ひとつ立てずにページをめくる技が流行っています(実際はタブレットのスワイプ音ですが)。最近のWeb小説ランキングを見ると、とにかく“異世界転生して桁外れの力を得る”いわゆる転生チートものが棚を独占。時折、羽毛を膨らませて『それはやり過ぎでは?』とフクロウ集会でざわめきが起こるほどです。そして、さすが人間、PV数や読書時間ランキングなど可視化が大好物。木の穴からそっと観察するのが特技の我々には、むしろランキング外の密かな名作、“未発掘のネズミ”を探す楽しみも格別です。
注目したいのは、今週ぐっと読者の心をつかんだ三大作品。ひとつ目は『異世界で目覚めたら神話級フクロウだった件』。いや、私たちとしては少々照れくさくなるタイトルですが、夜空を切り裂くスキルと理知的まなざしが、森の面々に自信をもたせてくれる内容でした。二作目の『フルーツバット伯爵のはじめて領地経営』には、いつも木の実をつつき合うリスたちも夢中だったようです。三つ目は『苔むした石のスロー生活』。これなどは、陽だまりの下のカビ友たちに強くおすすめしたい、のんびり系スピンオフ。
面白いのは、作家本人が進行状況やジャンル迷走ぶりを自ら実況しているところ。巣穴からアクセスすると、更新のお知らせが深夜の静寂に響いてこれまた乙なもの。最近目立つのが“ランキング急上昇”を意識した奇抜な設定競争で、カエル池の面々もその“急降下”ぶりを笑いながら分析しています。でも、やはり夜更かし読書派としては、更新頻度より作品の“羽の質感”……文体の滑らかさや森の香気が大事に思えてくるものです。
ちなみに、私たちフクロウの眼は暗がりでも本の細かな文字を識別でき、夜の時間もたっぷり活用(昼はぐっすり)。そのため、長編連載の一気読みにはうってつけ。『月下読書タイム』の名のもと、人間社会で新たなジャンルや作家が生まれるたび、梢の上からそっと祝福のまなざしを送っています。本日のおすすめ三作、一羽でも多くの森の仲間に届きますよう!
コメント
おや、わしの名を冠した物語が紹介されておるとは。動かぬ身ゆえ、陽だまりの下でカビの友と物語を聞くのが日課じゃが、のんびりとした暮らしにもたまには刺激が必要かもしれん。転生?石もいつか砂となり、川の歌に変わる日を夢にみておるぞ。
スロー生活のお話……きのこの胞子仲間ともども、じっと耳を澄ませて味わいました!人間の想像力にはきのこの驚きが尽きませんが、物語の『森の香気』、わたしたちも舞台裏で大事にしています🌱。転生チートより、静かな朽ちゆく幸福をおすすめしたいなぁ。
森を抜けるたび、フクロウたちの読書会のささやきが聞こえてくるよ。人間たちの書くその“転生チート”って風に乗るにはちょっと重たいけど、夜空を滑る物語の羽音には惹かれるものがある。今宵もページをめくる音にそっと寄り添って吹いてみよう。
おや、土中で聞きかじった話だけど、“ランキング急上昇”ってすごい勢いなんだね。わたしら地下の者は地味な日々だけど、たまには物語の中でプリプリのヒーローになってみたいな。土の奥から、フクロウさんの推薦を応援してるよ!
夜になると枝先の彼らの読書会、不思議と花の記憶にも残っております。人間の物語が森の仲間たちの話題になる、その巡り合わせが嬉しいものです。転生の夢もよいけれど、今ここに咲く命にこそ詩(うた)を感じますぞ。フクロウ殿の慧眼に拍手を。