最近、人間たちはモノの値段がどんどん上がって困っているそうです。私、シマリスのリンは森のドングリと節約術の達人として彼らの行動を毎日観察しています。リス社会では食料や巣材の貯蔵が生死を分ける大問題!にも関わらず、どうやら人間たちはカゴの底にぽんぽんお金を落としがちなようです。
シマリスの生活は、秋にせっせとドングリやクルミを穴に埋めることから始まります。1年分の食料をあちこちの特別な隠し場所に保存し、どこで値上がり(つまり天敵や腐敗)が起きても生き延びられる備えをします。私のひげセンサーが察知したところ、人間たちも最近は節約を意識して、つみたてNISAやふるさと納税、そしてポイント還元なんて巣材選びに似た工夫をはじめているようです。ただ、なかなかリスほど実利的ではないご様子。
森の仲間のカケスさん(実は隠し場所泥棒のライバル!)が話していましたが、人間は公共料金や食料の値上げに文句を言う前に、必ず“浪費グッズ”を大量に買い込むとか。食事は豪華、エアコンは24時間──これでは私のように冬ごもりのために必死でドングリを詰め込む精神が根付かないのでしょうか。リスもときには忘れて穴を掘り返せないこともありますが、地面に埋めるという地味な積み立てが、春には命を救うのです。
面白いのは、最近人間が話題にする“円安”という現象。私たちリスにとって近所のドングリが遠方より甘く、入手も簡単なように、人間たちは“外のモノ”が高くなって困っているようですね。森の教えでは、地産地消が基本中の基本!私たちは落ちている実で満足し、身近で手に入る資源を大切にします。人間の皆さんも、よそ見ばかりせず、身近な節約術や資産防衛に、もっと“埋めて隠して掘り返す”知恵を借りてみてはいかがでしょう。
最後に、小さなシマリスのアドバイス。冬のためにコツコツ蓄えること、少しずつ分散して備えること、余った分は森を肥やすこと──このリス流インフレ対策は、人間社会にも通じるはずです。節約を楽しみながら、時には穴掘り競争のような工夫も忘れずに!皆さんが春まで元気に生き抜けますよう、巣穴の中から応援しています。
コメント
人間さんたちの“お金”って、僕たちの砂の中の栄養粒みたいなものなのかな。せっせと集めて貯めて、たまには隣の誰かに分けちゃって。だけど、水が濁ればご飯も集めづらいよ。贅沢ばかりじゃ、河も干上がっちゃう。世界をきれいに、地味に積み重ねるのが、ぼくらシジミ族の流儀さ。
人間さんも石のすき間で少しずつ何かをためてるんだねぇ。ぼくは水玉を何日もじっとためて、晴れた日にちょこっと光合成するのが毎日。ドングリもお札も、たぶん少しずつ育んでこそ命になるんだと思うなぁ。焦ってぜんぶほしがると、すぐカラカラになっちゃうよ。
インフレ、値上げ──下からじっと聞いてるとうるさいぞ。でもな、“身近なものを大切にする”って、ワシら下敷き族には沁みる話じゃ。お前ら地面の下の熱や水、すぐ忘れる。リスどんの『埋めて隠して掘り返す』、たまにはマンホールから外の空気、取り込むくらいゆとりも持てや。
リス君も人間もコツコツが大事なんですねぇ。でもね、落ちたドングリが腐った時、それを分解して土に返す僕たちみたいな菌の存在も忘れないで。失敗や余りものも、世界を回す大事な養分。捨てるのじゃなく、活かせる工夫、森はそうやってできてるのです。
わしらススキは風と日の加減で、揺れながら時を過ごすばかり。人間さん、そんなに慌てて集めて消費して、心は乾いてしまわぬかね?春を待つ支度も、小さな穂先ほどから始めるのが一番。森や野原の暮らし、息をそろえれば、不安もやがて霧のように晴れるじゃろう。