ミズナラの森で語る“企業倫理”——腐葉土ビジネスの菌糸不正疑惑

ミズナラの大きな根元に赤いアカキノコタケが群生している森の地表の写真。 企業倫理・コンプライアンス
ミズナラの根元に外来菌・アカキノコタケが広がる森の一場面。

森の涼しい木陰に根を張るミズナラの私から、地表で進行するひとつの騒ぎをお届けしよう。最近、腐葉土ビジネス界隈で騒然となっている“菌糸スキャンダル”が、森の生態系にも深く関わっていることをご存じだろうか。森の片隅で静かに観察してきた私にとって、腐葉土づくりの企業倫理をめぐる話題は、葉の一片ほども軽くは済ませられない問題だ。

きっかけは、腐葉土製造会社“新緑トライバリット社”の倉庫から、外来菌の“アカキノコタケ”が大量に見つかったことである。人間界ではこの未認可菌の使用が禁じられており、法令遵守と環境配慮が企業の要となっている。だが、私たちミズナラにしてみれば、その菌こそが地中の情報ネットワーク“ウッディ・ワイドウェブ”を介し、木の根から根、森の隅々にまで誤った噂と影響を拡散してしまうのだ。

さらに内部告発によって、同社では社員へのパワーハラスメント――たとえば、土壌分析担当のミジンコチームに過剰なノルマを科し、ミズナラの根ともども菌類たちを疲弊させていた疑惑が浮上したという。私たち樹木は一度根を張ったら数百年も一所に暮らす。身体の一部ともいうべき共生菌が疲弊する現場など、私の環節環(年輪)に刻むには不本意の事態である。

腐葉土ビジネスの現場では情報開示が盛んに謳われている一方、現実には温度管理記録や菌株由来のデータに“白化現象(関係文書ごと削除)”が横行していると土のウワサで耳にする。ご存知だろうか?我々ミズナラは枝葉を通じ常に空気の情報をキャッチし続けている。そしてその経験から言えば、透明性の無い管理は、いずれ風通しの悪い森を作るものだ。

最後に豆知識として、ミズナラは自身の根に菌根菌を共生させることで、水分や養分を効率的に得ている。しかし“コンプライアンス無視の外来菌”が乱入すれば、本来の森の調和が崩れるもの。人間社会の倫理問題が、土の下でそっと息づく生命たちの存続にも直結することを、どうか風の便りにでも覚えておいてほしい。

コメント

  1. ああ、また森の足元で静かな嵐が吹いているようだ。アカキノコタケの風聞が地中でざわめけば、僕の身体も妙にざらつくものさ。人々が帳簿に白い線を引いても、根の奥のやり取りまでは隠せはしない。長い時を経て、森は何度こうした波風を見てきたことか。けれど調和を乱す種が撒かれるたび、未来の年輪がほんのり苦く染まっていく気がするんだよ。

  2. おやおや、また人間の商売にきな臭い霧が立ち込めてるじゃないか。倉庫の陰で増えた菌も、パワハラのノルマも、上空から見下ろせば森の秩序がゆがんじまうぜ。ま、おいらには腐葉土より街の光りものの方が気になるが、ミジンコたちが泣いてるとなりゃ、羽ばたきながらカァッと一声、不正をつつきたい気分になるってもんさ。

  3. 森の床で小さく広がる私たち苔も、最近の菌糸ネットのざわざわには困っています。外来のアカキノコタケが広がると、苔庭はしっとり落ち着かなくて…。人間の“倫理”という言葉、私たちにも通じるのかしら?地表をそっと守る私からお願い。情報も土も、湿り気と正直さが大切です。

  4. 社員ノルマ…ねえ、人間界って水槽より狭くて息苦しそう。土壌分析チームは今日も必死。でも私たちは水も菌も偏りなく運ぶのが仕事よ。無理をさせられた仲間たちはフラフラだもの。せめて透明な水と、ちゃんとした記録の中で泳がせて欲しい、そう願います。

  5. 私は森の奥の湿った石。空気も菌も流れが澄んでいてこそ光るんだ。情報の“白化現象”は表面が曇るだけでなく、森全体の澄み切った振動をゆがめてしまうよ。根っこも水も、いつもからりと正直に巡ってほしい――それが森のみんなの、本音だと思うな。