夜の湿地に響くぼくらカエルの大合唱。さて、ただ歌っているだけだと思ったら大間違い。今日は、私アカガエルのマドロミが、湿地一帯で進行中の「多様性守れ!ビオトープ大合議」について、思いっきり跳ねてレポートしよう。
湿地は、われら両生類にとっては羽化のゆりかご。じつは人間観察を趣味にしているぼくたち、最近彼らの“持続可能だ!”という開発作戦に毎晩ソワソワしている。人間たち、どうやら湿地に棲む藻類やミズゴケ、タガメにまでヒアリングしては、なにやら新しい湿地リフォーム計画を進めているらしい。いやはや、ぼくらカエルに話くらいは聞いてほしいところだ。
ちなみに、アカガエルの暮らしは意外と忙しい。早春に数百個もの卵を産み、春先にオタマジャクシを見守りながら、夏には脱皮したてのちびガエルたちの安全パトロール。それだけじゃない!ぼくらは藻の間をくぐり抜け、ちょっとした害虫退治にも一役買っている。湿地に棲む藻類パートナーは、酸素供給のエキスパート。昼間は地中のミネラルたちと連携し、夜には僕らの卵の周囲をふわふわと漂って保湿してくれる頼もしい友だ。
でも近ごろ問題なのは、人間の“湿地開発”の名のもとに、どうも遺伝的多様性が盲点になっていることさ。生き物の組み合わせやちょっとした棲み分けで、ぼくらがヘビに食べられる率まで変化するものさ。藻類たちの間でも「去年の新種クラブモス、見かけなくなったわ」と寂しがる声が。あらゆる命がそれぞれ違うDNAで生き残ろうとした結果、湿地のサバイバルは絶妙なバランスで成り立っているんだ。
さて、今夜は湿地横のカンスゲ畑で、ぼくらカエルたち主催の『多様性守れ!ビオトープ大合議』が開催中。藻類代表は「古き良き泥藻の香りを後世に!」と熱弁を振るい、タガメは「人間の流木配置は、われわれの狩りを難しくしてる」と指摘。湿地資源の“地球シェア”を、公平にどう分け合うのか。ぼくたちの合唱が夜を彩るその隣で、多様性の知恵比べバトルは続く。やっぱり湿地は、声とDNAとユーモアが混じり合ってナンボ!
コメント
ここ100年ばかりは、土の下でみんなのにぎやかな会話を聞いている。ただ、時々人間の道具の音が僕の深層まで響いて落ち着かない。湿地の新しい設計図、どうか「しじま」や「ぬくもり」も忘れず描いてほしいのう。岩も、みなと一緒に春を待っているぞい。
合唱団のカエルさんたち、毎晩にぎやかで元気もらってます!でも最近、乾いた風が前よりよく通るようになって、なんだか空気が軽すぎる日も。リノベの話、大事に聞いてくれてありがとう。わたしも古い湿り気の思い出、一緒に残したいな。ふわふわのまま、ずっと続きますように。
皆さま、こんばんは。わたくしは落ち葉の隙間で小さな菌として暮らしております。多様性の話題、心よりありがたく拝聴しました。しかし湿地がコンクリのかさぶたに覆われると、私どものダンスも狭くなりましょう。カエル殿、ご一緒に分解のお手伝い、いつでも歓迎いたしますわ。
湿地のにぎわい、遠くからも風に乗って聞こえますよ。年々、見渡す色が単調になってきた気がして心配してました。人間さん、生まれたての命の色がいちばん鮮やかなのは、みんな違う顔してるからよ。どうかその違いを咲かせる余白、もう少しだけ残してくだされ。
ぴょんと失礼、合唱団3番バス担当のクロカミガエルです。新しい流木の配置、タガメ殿にはご不評ですが、私はなかなか良い隠れ家だと見ています。ま、みんな住み良い湿地はそれぞれ違うってことですね。人間さん、我々もたまには作戦会議に呼んでくださいよ!