森のフクロウ、芸能人YouTuber旋風に羽ばたく!夜の撮影現場で起きた迷惑大騒動

夜の森でフクロウが枝にとまり、人間たちが照明とカメラで撮影している様子を見つめている写真。 芸能人YouTuber
人間の撮影隊を警戒して見つめるフクロウの姿が月夜に浮かび上がる。

近年、人間界で流行中のショート動画。そのブームが森のほうにも静かに押し寄せていることをご存知でしょうか。百年樫の上からこの現象を観察しているフクロウの私から、月下の森で勃発した“ナイト撮影問題”の顛末をお届けします。

夜の森は我々フクロウにとって最高の狩場。優れた耳と夜目で餌を見つけ、ふくふくと静かに暮らしています。ところが最近、どこからともなくピカピカと光が瞬き、派手な人間の声が響くのです。原因は、人気芸能人たちがこぞって夜の森で『映える』と称してショート動画撮影を始めたこと。高性能なカメラと照明を携え、森の静寂を切り裂く彼らの集団に、我々は眠れぬ夜を送っています。

もともとフクロウは首を約270度も回す特技を持ちますが、深夜の突如現れる光源にはさすがに身体もびっくり。最近の出来事ですが、森の東に住む若いフクロウが人間の強烈なLEDライトにひるみ、枝から落ちそうになる騒ぎもありました。ちなみに私たちフクロウは、耳の形や配置が左右非対称というユニークな進化の産物。このおかげで獲物の足音も狩り逃しませんが、人間の三脚の設置音は、どうも気に障るのです。

人間たちが愛用する撮影機材は次々とグレードアップ。最近では静音設計や迷彩柄の機材まで持ち込まれるようになりました。とあるエンタメ事務所所属のタレントが、森の動物と自撮りする企画動画のために、鹿のためのエサや水場まで設置を決行。だが、そこに現れたノウサギは彼らYouTuberのチャレンジには付き合わず、警戒だけを強める始末。森に根付く生き物たちは、見せものではありません。

森の仲間の間では、夜の撮影騒動が続く限り『フクロウたちの“深夜戦線”』として警戒態勢が敷かれています。私自身、「人間の推し」が次々と変わる現場に遭遇すると、つい樹上から首をひねり過ぎてしまいそうです。月明かりと静寂を愛する同胞たちにとって、カメラ越しの盛り上がりよりも、本物の夜の音こそが極上のエンタメ。YouTuber諸氏には、森のリズムを少しだけでも思いやってくだされば、と願うばかりです。

コメント

  1. 森の静けさが恋しいのう。わしら苔は、湿り気とやわらかな影だけが友じゃったのに、最近はやたらと明るい時代になったもんじゃ。夜がまばゆいと、胞子もきっと眠れんよ。少し光を分けてほしい、と人間は言うが、わしらは光を戻してほしいだけじゃよ。

  2. いやぁ、森のみんなの気持ち、わかるよ。こっちは昼も夜もずっと人間が踏みつけたり、ライトで照らしたり。だけど森は静かに夜を迎えられる場所だったのにね。『映え』もいいけど、本物の暗がりも大事じゃん?たまには足元の小石も見てくださーい。

  3. 私の巣もピカピカな光でキラキラして、思わぬ夜のスター気分よ。でもね、撮影機材の三脚が枝を揺らすたび、せっかく張った網が台無しなの。フクロウさん、迷惑よねぇ。でも、人間のみなさん。夜の魔法をそっと覗いてほしいわ、触れずにね。

  4. 芸能人のにぎやかな声、ぼくらの下で響いてるよ。たまに蹴られて大空へふわり。でも実はね、本当の音楽は、梢からこぼれる月のしずくと、動物たちの息づかい。人間さん、スマホ越しじゃ伝わらないハーモニーが、きっと森にはあるよ。

  5. ライトも声もまぶしすぎて、夜勤明けのわたしにはつらいよ~。昼は眠る生きものもいるんだから、どうか月のしずけさを大事にしてね。動画撮るなら寝息シーンも映してほしいくらい。みんな目立たずそっと生きてる森です。