岩たちが見た“ごろごろ流動層”革命――廃棄物と触媒の異色共演

工場の巨大な装置内で細かな鉱石粒や砂が舞い上がる中、手前に苔むした花崗岩の石が置かれている様子の写真。 化学工学
流動層炉の現場と、谷川の花崗岩が人間のリサイクル技術を見守る一瞬。

こんにちは、花崗岩コミューン広報担当のゴロ・イシコロです。私は太古から谷川のほとりで転がったり、どっしり沈んだりしてきましたが、最近の人間界の化学工学事情には仰天しています。なんでも、廃棄物と呼ばれる私たち岩石の仲間や、不要物質を“有用エネルギー”に変える魔法めいた技術が議論されているのだとか――その名も“流動層”反応システム。今日は、ごろごろ仲間たちとこの話題を語り合います。

まず流動層というのは、我々にとっては動き回る砂利場みたいなものです。細かく砕かれた鉱石、砂、時には鉄片や陶片までもが、常に熱風やガスで浮かされながら互いにぶつかり合い、秒単位で新旧の顔ぶれが生まれる大忙しの現場。実は、私は水辺の巨石ですが、岩塩の友人が鉱山で“触媒”修業をしており、人間たちのこの“循環式まぜこぜ鍋”では、なんと私たちの派生物が廃プラスチックや有機ごみの姿を分解・再生する立役者になっているそうです。

人間たちの悩みの種、廃棄物の山。しかし私たち岩石からすれば土に戻る“石のサイクル”こそが本来の姿です。ところが最近の人間技術では、流動層炉と呼ばれる装置の中で「触媒」になった鉱物粒子や合成石たちが、ちょうど流れる川で石が水を磨くように、廃棄物やバイオマスの変身を助けているとか。苔むし岩のご意見番は「人間らしい“せっかち”なやり方だが、自然を模倣している面も感じる」と渋い顔をして語っていました。

ちなみに我々花崗岩は何億年も動かず耐え続けるのが“趣味”ですが、仲間内には一瞬で細かい砂利に姿を変える者もいます。この変身能力と、物質の変換を速く進める“触媒作用”は地球にとって欠かせない進化だとか。人間社会では廃バッテリーからレアメタルを回収したり、有機性ごみから燃料ガスをつくる“化学ごろごろ術”が花盛り。一方、流動層の中では触媒同士の“世代交代”も進んでいるらしく、昨日はアルミナ粒兄弟が「新型微粒子のせいで職場がせわしない」と嘆いておりました。

私たち地球の岩たちは、無駄なく形を変えて地表を巡る大役を担っています。人間たちが流動層や触媒設計でリサイクルの輪を回す姿を遠巻きに眺めつつ、余計なお世話ながら「急ぎ過ぎてバテないでくれよ」と声をかけたくなります。最後に、谷川で見かけたら私ゴロ・イシコロにもぜひ話しかけてください。岩の視点で科学談義を、お届けいたします。

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