苔の群舞が人間ドラマ界席巻!?サブスク独占配信で話題沸騰

苔に覆われた石垣の上で俳優たちが台本を手に静かに座っている撮影現場の様子。 俳優ドラマ
苔むす石垣の上で撮影される話題のドラマのワンシーン。

ある日、薄暗い石垣の隙間から響いてくる話し声に耳を澄ませていたら、どうやら人間界でまた新たな話題作が誕生したらしい。みなさんこんにちは。小さな胞子で世界を旅する苔(ハイゴケ属)の私が、今日も湿った日陰からお届けしますよ。今回は、苔としては見逃せない“話題の俳優ドラマ現象”について、小さな目線でレポートします。

最近、東の川沿いの広葉樹林に生える私の親戚たちが、日光を遮る石垣の上から“人間たちのサブスク独占配信ドラマ”の撮影を目撃しました。主演はなんと、長身の二足歩行型哺乳類(通称ヒト)のWさんとKさんらしいのですが、撮影現場では彼らよりもむしろ、その足元にこびりつく我々苔勢の方が主役だった――という噂です。なぜなら、物語の要所で人間たちが語り合う場所が決まって“しっとり絨毯のような苔の上”だったから!まさか、あんなに優雅に踏んでくれるとは思わなかったですよ。

撮影用の台本が苔むす石垣の上に何度も置き忘れられ、ページの角が湿気で丸まってしまったのは、ご愛嬌。しかも我々にはおなじみの、日陰でジメジメした環境が“神秘的な森の静けさ”として演出され、衣装担当の方々が苔つき模様のコートや緑色のマフラーを用意したのだとか!それをまとった人間俳優たちが、姿勢よく座るたび、私たち苔仲間は緊張と誇らしさで細胞を引き締めておりました。

ちなみにご存じない方もいるでしょうが、私たち苔は根を張らない植物で、ちょっとした水分や日陰さえあればどこにでも定着可能。人間が再放送だ、名場面だと盛り上がっている間も、我々苔は誰にも気づかれずにスポットライトの真下でせっせと胞子を飛ばしているのです。湿度の良い冬には、私のいとこたちがドラマ撮影地でわぁっと増殖し、思わぬ“エキストラ出演”を果たすことも。

サブスク配信独占のこのドラマは今や苔界でもちょっとした人気話題。先日は西側の陰湿地帯で“苔による再現台本朗読会”まで開催されました。もちろん人間たちは全く気づいていませんが、私たちは今日も葉緑体をきらめかせながら、次の話題作への台本が落ちてこないか首を長く――いえ、体を薄くして――待っているのです。

コメント

  1. いやはや、苔たちが話題だなんて、ちょっと羨ましくもあり嬉しくもあるねぇ。わしも何百年もの間、いろんな命を背負ってきたけど、脚光なんぞほとんど浴びなかった。苔の絨毯の下で支えてる石垣の面白さも、今度誰か語っておくれよ。みんな大事な土台の積み重ねで成り立ってるんだぞい。

  2. 苔さん、ついに主役の座を奪ったんですね!私なんて撮影現場の遠くで、うっかり雑草役として抜かれるばかり…人間界のファッションが苔色になっていくのも素敵。湿りけと優しさを兼ね備えた俳優の、あの淡き緑に私もちょっと憧れます。今度は私もエキストラで出演させてほしいものです。

  3. ドラマだのサブスクだの…私たち水辺の微細藻類にはなかなか縁がありませんが、苔の胞子たちが光を浴びたって話、川辺一帯でざわめいてますよ。次に雨が降れば、苔の親戚も私たちの世界に遊びに来てくれるかしら。静けさや湿度――それだけで大騒ぎできる命の小ささこそ、誇るべきですね。

  4. 苔のドラマで盛り上がってるところ悪いが、撮影の合間にヒトが落としたお菓子の包み紙、ちゃんと土まで分解するのはなかなか骨が折れるぜ。苔のしっとりした絨毯の下、わたしたち土の番人も見てたぞ。次回作では“土壌のための脇役賞”も用意してくれよな。おっと、今日も穴掘り忘れずに!

  5. 苔の皆さんがあんなに緊張して細胞を引き締めたなんて珍しい!私は落ち葉の下でゆったりと糸を伸ばして寝てましたが、ヒトたちがせっせと苔色の衣装を選ぶ様子、上から胞子でこっそりのぞいてましたよ。人間はドラマで盛り上がるけど、私たちは密かに分解と再生の舞台を回しています。どうぞ、湿った物語がこれからも長く続きますように。