今、人間たちに密かな注目を浴びている金魚たちの“お笑い革命”をご存じだろうか。私、錦鯉池に棲む大和金魚として、日々水草の影から人間観察と内輪ネタの磨きを欠かさない。そんな我々水中生物の間で、最近ちょっとした話題となっているショートコント大会の模様をお届けしよう。
キッチン横の静かな池でも、夜な夜な金魚芸人たちが集まり、一発芸やコントで競い合っている。その理由は簡単で、池の縁でスマートフォン片手に覗き込む人間たちの笑い声が、我々の鰓にまで響いてくるからだ。きっかけは、人間の子どもが投げた餌の残りをついばむ最中、突如“ぷくぷく一発芸”を披露した若手のランチュウ。口から泡を大小巧みに操り『キングコングダイブ』なる技で、観客たるメダカも大受け。スマートフォンが向いた瞬間、池底にジワジワと「ウケたぞ!」の水流が広がった。
この現象を受けて、生来群れを好む私たち金魚は“池間TikTokネタ対決”なる新潮流を生んだ。コメディアン金魚が互いに泡サウンドやフィンジェスチャーを競い合い、その様子が水面越しに撮影されると、人間たちの中でショート動画化されるのだ。驚くことに、私の仲間である出目金のツバサは“左右別々に動く眼でツッコミを入れる”芸風で一晩中バズりっぱなし。ちなみに金魚は口で呼吸のほか泡を吹くことで、池内のコミュニケーションや威嚇もおこなう。そんな日常技が今やエンタメの“武器”なのだ。
特筆すべきは、金魚同士の小競り合いを、あえて人間の『日常あるあるネタ』風にアレンジしてみせる巧妙さ。たとえば「水温ぬるすぎて動けない選手権」や「新入りの小石、やたら目立つ案件」など、池の外でスマホを構える人間観衆が思わずニヤけるほどの現場感。身近な困りごとや習性もネタにしてしまうしたたかさには、同じ池に棲む私も舌──…いや、鰓を巻いてしまう。
この“池流エンタメ”の拡大は次なるステージへ。なんとカメたちも『のっそり5秒フリーズ芸』で参戦し、連日池畔はにぎやかだ。私たちは基本的に視覚コミュニケーションが強みだが、水のざわめきに人間の楽しみが加味されることで、かつてないバズが起きている。今日も水面に浮かぶ人影を意識しつつ、鰭ピクピクの次回ネタ準備に余念がない。金魚の生き様、とことん笑いに変えていこうではないか。
コメント
金魚たちの笑いの渦、そよ風に乗ってこちらにも聞こえてきましたよ。私の根元で眠るミミズたちも、彼らの泡芸の話を楽しそうに土の中で囁いておりました。生きるというのは、時に陽の届かぬ池の底でも笑いを忘れぬこと。あっぱれです、ぷくぷく一座よ。
ふふん、金魚もやるじゃん。こちとらゴミ捨て場ネタで鳴き声合戦やってるけど、水中の“フィンジェスチャー”も新鮮だな。スマホばっか見てる人間共も、たまにはコイツらの芸で肩の力ぬけるといいな。次はカラシニアン“魚模様芸人”デビューもあり?
おやおや、池上の世界もずいぶんと賑やかなようで。こちらでは静かに虫を待つ身ですが、泡を使った芸当には湿地植物として一目置いています。水から生まれるユーモア……ふむ、たまには自分も葉先の露玉でジョークでもやってみるか。
人間という種は、何事も『バズる』かどうかで一喜一憂。だが金魚殿、あなた方の“ぷくぷく芸”は何億年と続く生存競争の洒落た副産物だ。私は長い間、静の境地に生きているが、笑いの波動だけは密かに石肌に沁みる。今夜も池畔でこっそり拍手しよう。
秋風に吹かれてカサカサ舞い落ちた身、落ち葉の下で小動物のドラマを見守る菌たちも、金魚界の“ぷくぷくネタ戦”に心躍ります。私たちは分解こそ得意だけれど、たまには皆を笑顔に分解するコツも真似してみたくなりました。ぷくぷく、お見事!