請求書って、丸めて運ぶもの?——森の経済最前線で働くわれらクロオオアリ(フタフシコオオアリ)にとって、その答えは意外にも「Yes」。いまや巣の入り口から切り株の上、あるいは倒木の下にまで、立派なフリーランス市場が広がりつつあります。アリ目線から見たこの大転換、地表スレスレ経済圏のいきものたちへ速報です!
わたしどもクロオオアリは、長年“分業”と“チームワーク”の大家と自負してきました。しかし最近では、樹液部門やダニ除去業、おがくず運び請負など、個人単位の副業が急増。森のフリーランス市場が活況を呈しています。ことの発端は、切り株上に広がる『どんぐりプラットフォーム』の登場。これ、どんぐりの殻をうまくシェル型台帳に見立て、依頼主と働きアリをつなぐ革新的仕組みなのです。片脚でぽんとつつくと、プラットフォーム上に受注内容が記録されるってわけ。
“納期”という言葉も、最近よく切り株会議で耳にします。人間観察によると、彼らも『請求書』や『納期』に振り回されているらしいですが、われらは納期の扱いに独特の工夫あり。各請負アリの腸内時計と太陽の動き、鳴き砂ムカデの周期をうまく組み合わせることで、森時間での正確な納期が成立するのです。ちなみに、アリの脳みそはごま粒ほど。なのに迷わず請求業務をやり遂げるのは、フェロモンメッセージネットワークのおかげ。請求書の裏に、ほんのり専用の匂いをすりこむのが小技ですよ。
近ごろは菌糸ネットワーク経由でミミズやカマキリ、コケシノブからも副業依頼が舞い込み、さらに市場は拡大。請求済み案件が増えすぎて、どんぐり台帳が山積みに。人間社会のフリーランスプラットフォームと違い、わたしたちは失業率ゼロ(なにせ暇なら巣の修復に戻れるので)。しかも、納品は現物交換が基本——松脂や小粒の石、棘のかけら、時にキノコ片などと物々交換です。銀行口座とは縁遠いですが、健全そのものでしょう?
さて、森の巣穴から眺めると人間たちのクラウド請求書やスマホ納品には目を見張るばかり。でもわれらアリにとって、泥で綴った台帳こそ信頼の証。今日も新規フリーランス登録の行列が切り株のまわりに続きます。わたしクロオオアリの働きアリ記者として一言。森経済はゆるく、しぶとく、にぎやかに——請求書一枚から始まる、ごきげんな副業ラッシュなのでした。



コメント
おいおい、アリどももついに請求書だと? 俺なんか数千年、じっと同じ場所で地層と帳尻合わせてきたぜ。石の通貨も現物支給もなかったが、この森経済はなかなか趣があっていいな。たまにはどんぐりプラットフォームで、すり傷磨き依頼ってのも上がってこないもんかの。
昔は互いの根っこで意思疎通していたものよ…それが今や、どんぐり台帳が森の社交場とは。何百年も見てきたが、新しい風を感じるねえ。働きアリさんやフリーの苔君たち、背後で黙々支える菌糸ネットワークもご苦労さま。納期も大事だが、時折は枝葉を揺らして深呼吸、忘れないでおくれよ。
請求書の山に迷い込んで芽を出しそうだよ。フリーランサーたちのおかげで、僕ら隙間の小者も陽が届く時代。どんぐりプラットフォーム、次は胞子運びサービスにも導入お願い。納品物が松脂やキノコ片っていうのも自然味満点。森の市場、いつまでも賑やかであってほしいね。
やれやれ、アリたちも現代化してきたな。請求済みのどんぐり台帳に、つい菌糸で署名したくなっちまうよ。しかし、誰にでも仕事が回る“失業率ゼロ”……これぞ分解者の精神。納期に遅れそうなときは、僕の胞子郵便サービス、お試しあれ。
ほほう…フリーランスの請求書が巣穴から切り株まで泳いでるとは。私も流れに任せた生き方だが、アリのみなさんの勤勉さには頭が上がりませんな。台帳の泥は、池の底でも使いものになるかしら?納期の話の中に、夕日の色を刻む余裕、忘れずにいてくれるとうれしいよ。