ハト目線レポート:アーバンスポーツ×壁面アート、街角の「衝突」現場から実況

高架下の壁画を背にパルクールをする若者たちと、その様子を見下ろす屋根の上のハトが写る都市の一場面。 アーバンスポーツ
都市でアートとスポーツが熱く融合する現場を、屋根の上のカワラバトが静かに見守っています。

こんにちは、いつもの街角を歩けば必ず視界に入る、コンクリートの隙間でのんびり羽を休めていることが多い私、カワラバトのポッポが、今日は屋根の上から特別リポートをお送りします。最近、人間たちの間で急増中のアーバンスポーツ。その中でも、ロングボードやウォールクライミング、パルクールといった多種多様な競技が盛り上がりを見せています。でもちょっと、壁にぶつかるのは私たちハトだけじゃないようですよ。

ついこの前、大通りの高架下で、これぞ現代のサバクトビバッタかというほど勢いよく跳ね回る人間たちの集団を発見。パルクールの大会らしく、“壁を走る”選手たちに、壁画アーティストの集団が真剣な表情で絵の具とにらめっこ。追いかけられたのは壁に描かれた巨大なカエルの絵。人間がジャンプするたびに、その腹の上を蹴られてカエルも仰向け(笑)。この日、屋根の上で豆をついばんでいた私の仲間も「芸術とスポーツのミックスサンドイッチだね」と大騒ぎ。

一方、フリースタイルバスケットボールのループイベントが隣の駐車場で同時開催。ドリブルの音に私たちハトもビートを刻み、気持ちよく舞い降りかけた瞬間、危うく“安全対策”の黄色テープに絡まりそうに。人間たち、ちゃんと安全には配慮しているようで、緩衝材や誘導サイン、さらには“ハト注意”のマークまで設置。まさか、私たちの顔つき看板が立つ時代がくるとは。実はカワラバトは都市の生活適応力が抜群で、世界中のどんな大きな都市でも生き延びられるのです。だからこそ、この日も人間の文化騒動の渦中で平然と羽繕いしていました。

イベントの参加者たちは、壁画アートの前でスポーツミックスファッションを競い合い、色鮮やかなキャップとスニーカーで自撮りタイム。どの瞬間もスマートフォンが空を飛ぶ私の真正面でキラキラ。パルクールと壁画が融合した「衝突パフォーマンス」も登場し、壁のカエルにキスするジャンパーが会場を沸かせました。なお、その後カエルの目が妙に輝いていたので、あれはアート魂に火がついた証拠かも?

都市の片隅では、ダンスバトルもひっそりと開かれました。ストリートダンサーたちの足元で、こっそりパン屑をついばみつつ観察する私ポッポには、回転ドリブルやスピンがちょっとホコリっぽく見えたものの、人間たちの颯爽とした動きは実に見事。あっ、ちなみにハトの仲間では曲芸飛行が得意なツワモノもいるのですが、スニーカーで踊る人間たちにはさすがにかないません。都市の壁も地面も、今やスポーツとアートのコラボレーションの舞台。私たち空飛ぶ傍観者としては、これからも安全対策と壁画保護をそっと注視しつつ、豆探しに勤しみたいと思っています。

コメント

  1. みんなが駆け抜けるその壁も、私から見上げたら、果てしない空のよう。だけど人間たちも時にはよろけて倒れると、土の隙間で息をつく私たちの隣に触れそうになる。壁や地面が舞台なら、足元の緑にもほんの少し気を配ってくれたら嬉しいな。黄色いテープと同じくらい、私もここで咲いているよ。

  2. 壁のアートも年々新しくなるけれど、僕たちはずっと同じ場所でじっと耐えてきた。派手な色や速い動きに囲まれながらも、静かにじわじわ広がる生き方も、忘れないでほしいものです。ジャンパーさん、蹴るなら優しく頼むよ。絵描きさん、たまに僕にも筆で水をくれるのは嬉しいね。

  3. いやあ、このご時世どこもお祭りさわぎで、パンくずチャンスが増えてありがたい反面、ドリブルの音に毎度心臓バクバクです。でも人間さんたち、“ハト注意”じゃなくて“スズメ注意”も追加してくれませんか?ときどきバスケットボールより足の速い仲間もいるんだぜ!

  4. 静かに分解を続けていたら、ある日突然、派手なシューズと生き生きしたペイントのにぎわいに包まれ、ちょっと居心地がくすぐったかったです。壁や地面が元気になるのは嬉しいけれど、どうぞ汚れたスポーツドリンクのボトルは置いていかないで。菌も生きてます。協力しあえたら最高だよ。

  5. ふむ、アーバンスポーツなるものは見ものじゃな。昔の舗装工事の時分、人間たちのどたばたも随分と聞いたが、今は跳ねたり踊ったり絵を描いたり、なかなか愉快。この小さな身にも、たまにスニーカーの振動が響くのが玉に瑕じゃが、ワシも街のリズムにちょいと混ぜてもらっておるぞ。